僕もギャリーもせっかち。不思議と自分を見ているよう
――「プレゼント・ラフター」は現代的な物語ではあるけれど、1940年前後のロンドンが舞台です。吾郎さんは以前もベートーヴェンなど過去のヨーロッパに生きた人物を演じていますが、こういう場所も時間も違う人物を演じる時は、どのように役作りをされるんですか?
もう単純に稽古をして、迷いなくやる。自分はそういう人なんだ、って思ってやっていくしかないですし、それが説得力になっていくと思うんです。
本当は当時ならではの細かい所作とかもあるんだと思うんですけど、僕はそこまで緻密な演技というのはあまり得意ではないので、強引に役を自分側に引っ張っていく感じですかね。
――ギャリーは男の人も女の人も好きで、誰からも愛されたいと思う人物です。
うん、ちょっとそういうのは、俳優の性(さが)みたいなとこがあるかもしれない。わからなくはないですよね。そのくせ、身内に厳しくてね。
――ご自身にもそういう部分がありますか?
あるかもしれないです。
――よくラジオで僕は“イラチ”(せっかち)だ、っておっしゃいますよね(笑)。
それは嘘ではないんですけど、ただ、言った方が面白いかなと思って言ってるところもあるんですよ。でもやっぱり僕はせっかちだし、ギャリーもそういうところがある。
――ギャリーは常に慌てていて、落ち着きがない気がします。
そう、そういうところ。なんか不思議と自分を見てるような感じがするんです。あんまり認めたくないけど、そうなのよ(笑)。
――2026年への抱負を一言お願いします。
では「プレゼント・ラフター」で。これは今の楽しさとか、その場が楽しければいい、みたいな意味らしいんです。だから刹那的に、後先を考えずに今が楽しければいい、と言っておきます(笑)。でも1年間て、楽しく今を過ごすことの積み重ね。刹那的だし、ほんと英国的な言葉ですよね。
稲垣吾郎(いながき・ごろう)
1973年12月8日生まれ、東京都出身。アーティスト、タレント、ラジオパーソナリティなど幅広く活躍。俳優としては1989年に連続テレビ小説『青春家族』でドラマデビュー。翌1990年に『さらば愛しのヤクザ』で映画デビューを果たす。以降、ドラマ、映画、舞台などで見せた演技力が高く評価される。
『プレゼント・ラフター』
舞台は英国ロンドンの高級アパートメントの一室。実力とカリスマ性を兼ね備えた舞台俳優ギャリー(稲垣吾郎)は、スターならではの孤独感と老いへの恐れからか、私生活でもついつい演技をしてしまう。まもなく海外ツアーへ出発する彼の部屋を、元妻をはじめ次から次へと個性的な面々が訪ねて来て、騒動を巻き起こしていく。
作:ノエル・カワード 翻訳:徐賀世子 演出:小山ゆうな
出演:稲垣吾郎/倉科カナ 黒谷友香 桑原裕子 望月歩 金子岳憲 中谷優心 白河れい/浜田信也 広岡由里子
2026年2月7日(土)~28日(土)に東京・PARCO劇場ほか、京都、広島、福岡、仙台で上演。
https://stage.parco.jp/program/presentlaughter










