大洲早生李さん
家族:夫、莉乃ちゃん5歳、玲嗣くん5歳、洋渡くん3歳

株式会社グローバルステージ 代表取締役 http://gl-stage.com/
働くママのためのポータルサイト キラきゃりママ 
http://kiracareemama.com/
一般社団法人日本ワーキングママ協会 代表理事 
http://wm-univ.com/

 大洲さんの朝は、幼稚園児3人のお弁当の残り半分を作るところから始まる。年長の長女・長男は双子。それと年少の次男を起こして、園に送り届けるまで、仕事に出る前の“一仕事”は毎日が戦いだ。

 大洲さんは、大学卒業後大手メーカーに8年勤め、IT営業となった後、宣伝部に異動。愛知万博でパビリオンのプロモーションにもかかわるなど、精力的に仕事をこなしてきた。しかし双子を妊娠したことをきっかけに退職。つわりもひどく、単身赴任生活をしていたことから退職せざるを得なかったが、このときの「辞めたくないのに、辞めなければならない。なぜこんなに仕事と子育ての両立は大変なの?」という疑問は、今でも仕事や活動の大いなるモチベーションの一つとなっている。

 妊娠前から持っていたイメージコンサルタントの資格に加えて、会社員時代から学んでいたコーチングの資格を妊娠中に取得し、マーケティング、広報のプロを目指す。

「独立志向なんてまったくありませんでした。でもそうせざるを得なかった」と大洲さん。

 株式会社グローバルステージを立ち上げたのは、2011年4月のこと。2月にワーキングママのためのサイト「キラきゃりママ」を立ち上げ、3月には大震災。その4日後には第3子を出産。産後5日目から働き続け、今に至る。

 いつも根底にあるのは、世の中の理不尽なことに対する怒り。「子育てしながら働くのが、そんなに大変なことなのはおかしい。むしろ当たり前の世の中にしなくては、日本が危ない」と危機感を募らせる。

 現在グローバルステージでは、ママと子どもをテーマに、マーケティングとPRのコンサルティングから企画実施まで一貫したサービスを行う。さらに社団法人日本ワーキングママ協会を設立し、協会活動の一環として「東京ワーキングママ大学」を2013年に立ち上げた。これは、「働くママが子育てをしながらでも学べる場があったら」という思いで、理念に賛同するママメンバーに声をかけて始めたもの。子育てをしながら活躍したい人のための「学びとつながりの場」となり、多くのワーキングママの灯台的役割を担っている。

 出張、ミーティング、打ち合わせ、資料づくりといった日々の仕事に加え、幼稚園児3人の送り迎え、おけいこへの送り迎え、自分が送り迎えをできない時の人の手配、ご飯を食べさせ寝かしつけるといった育児の両立は、毎日が息つく暇もないほど。それでもこなさないわけにはいかない。夫、ファミリーサポート、実家、夫の実家と協力しつつ毎日をフルスロットルで駆け抜ける。夜10時に子どもを寝かせてから夜中の1時、2時まで仕事をする毎日だ。

 とはいえ大洲さんは、やわらかな笑顔で話し方もゆっくり。その大変さをみじんも外に感じさせないのは、さすがと言うほかはない。

2014年1月、ママたちの第三の居場所「ママ+コラウンジ」のキックオフイベントにて。

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2014.07.17(木)
文・撮影=HITOMINA