ロールモデルにしている監督は……
――新作『ブルーボーイ事件』も企画コンペで受賞し、映画化が決まったそうですね。企画コンペへの応募も含め、今、日本で監督として映画を作り続けていくにはいろんな道があると思いますが、ロールモデルとしている監督さんなどはいらっしゃいましたか?
特に誰かをモデルにという意識はありませんでしたが、それこそ石井裕也さんのように、PFFでスカラシップを取ったのをきっかけに商業映画で活躍している方々がたくさんいらっしゃったので、自分もそういう道を辿れればいいな、というイメージはなんとなく持っていました。
でも待っていても中々監督できるチャンスはやってこず、それでも映画からは離れたくなくて、とにかく映画関連の仕事をがむしゃらにやっていました。今思うと模索ばかりの20代でした。
『ブルーボーイ事件』
監督:飯塚花笑
脚本:三浦毎生、加藤結子、飯塚花笑
キャスト:中川未悠、前原滉、錦戸亮、中村中、イズミ・セクシー
配給:日活、KDDI
©2025『ブルーボーイ事件』製作委員会
公開日:2025年11月14日(金)
https://blueboy-movie.jp/
《STORY》
1965年、街の浄化を目指す警察は、セックスワーカーを厳しく取り締まっていたが、ブルーボーイと呼ばれる性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受け、身体の特徴を女性的に変えた人々の存在が警察の頭を悩ませていた。戸籍は男性のまま、女性として売春をする彼女たちは、現行の売春防止法では摘発対象にはならない。警察は、生殖を不能にする手術は「優生保護法」(現在は母体保護法に改正)に違反するとして、ブルーボーイに手術を行っていた医師の赤城を逮捕、裁判にかける。ウェイトレスとして働くサチは、恋人の若村からプロポーズを受けた。ある日、弁護士の狩野がサチのもとを訪れる。サチは、赤城のもとで性別適合手術を行った患者のひとりで――。
