“代々木ジョニー”は自分よりも、実兄に似ている!?

――初主演映画の監督・脚本を務めた木村聡志さんといえば、映画『違う惑星の変な恋人』など、恋愛会話劇の俊英として、近年の日本映画界で注目を浴びる人物です。

 渡された台本を読んだら、とんでもないセリフの分量だったんです。でも初めての映像作品なので、“とりあえず、やってみるしかない!”としっかり受け止めて作品にのぞみました。

 でも、木村監督の『違う惑星の変な恋人』の舞台挨拶の映像を見たところ、キャストの方が「めちゃくちゃ長回しだったのに、半分ぐらいカットされていました」といったエピソードをお話しされていて、「そんなこともあるの?」って、ちょっと不安も抱いてしまいました(笑)。

――ちょっと天然で、生真面目な高校生・代々木ジョニーというキャラを演じるにあたっての役作りは?

 自分と代々木ジョニーは、かなりかけ離れている印象を持ちました。そんななか共通点もあって、それは物事をまっすぐ受け止めてしまうところ。冗談でも正論で返してしまうところに、どこか親近感を覚えました。

 セリフを読みながら、「なんか様子がおかしいな」と思いつつ、「これって自分の兄に似ているな」というところもあって。実は自分の兄を役作りの参考にしているんです。

――撮影中、印象的だったエピソードを教えてください。

 劇団での経験が活きて、セリフは思いのほかすぐに入ってきました。というのも、セリフが唐突に出てくるわけではなく、ちゃんと前後の流れがつながっていたので、すごく覚えやすかったんです。

 現場では木村監督ご自身もとても面白い方で、つい目が離せなくて。撮影中に「あれ、監督がいちばん“ジョニー”っぽくない?」って気づいてしまいました(笑)。とにかく独特な存在感があって、リハーサルでの監督の様子を、役作りのヒントにさせてもらいました。

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