30年後はかっこよく動ける“じじい”でありたい

――本作でカンテレドラマの主演は10作目を迎えられるそうですね。初主演作『いいひと。』から約30年。もしこの先30年後を思い描くとしたら、どんな自分を想像されますか?
草彅さん 30年後は80歳超えているのかぁ。今のスタッフと一緒にまた作品をつくれていたら嬉しいですね。すごく渋いおじいちゃんの役とかを演じてみたい。かっこよく動けるじじいでいたいです。
――ご自身が「遺すもの」については考えたことはありますか?
草彅さん 僕が長年コレクションしているジーンズは、ちゃんと価値のわかる人に渡して売却してもらい、そのお金を困っている人に寄付してもらいたいと考えているんです。100本以上持っているし、中には1000万以上の価値があるものもあるから。すごいよね。
僕はたまたま10代の頃からジーンズを集めていたんだけど、今はヴィンテージブームだから、昔60万円くらいで買ったものが今1000万円の価値になっているものもあるの。そんなものばっか買ってるから、貯金がないんだけどね(笑)。「困ったら、ジーンズを売ればいっか!」って楽観的に考えてます。
遺すものといえば、自分が出演してきた作品も残っていきますよね。大袈裟なこと言うと、作品は共演者やスタッフたちと一緒に命をかけて作っているから、自分のDNAが刻まれているとも思うし。僕の人生が終幕に向かっていったとしても、次の世代の人たちに僕のドラマを見てもらえたら幸せだし、素晴らしいことですね。
草彅剛(くさなぎ・つよし)
1974年7月9日生まれ、埼玉県出身。91年、CDデビュー。俳優として、『黄泉がえり』、『あなたへ』、NHK大河ドラマ『青天を衝け』、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』など多数の作品に出演。17年には「新しい地図」を立ち上げ、20年公開の『ミッドナイトスワン』では第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀主演男優賞に輝いた。近年の主な作品に、『サバカン SABAKAN』、『碁盤斬り』など。カンテレドラマでは本作『終末のロンド』で10作目の主演となる。
『終末のロンド-もう二度と、会えないあなたに-』

10月13日スタート 毎週月曜夜10時(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)
出演:草彅剛、中村ゆり、八木莉可子、塩野瑛久、風吹ジュンほか
https://www.ktv.jp/shumaku-rondo/

2025.10.12(日)
文=高田真莉絵
撮影=榎本麻美
ヘア&メイク=荒川英亮
スタイリスト=栗田泰臣