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丸型の容器に夏の麺ものを入れるのもいい

 透けてみえて涼感がある、という意味では夏の麺ものも似合います。すだちをのせた冷やかけを自分用のお昼にいただくときなど、丸型の容器はうつわ代わりに使えます。つゆだけ作って入れて、先に冷蔵庫でよく冷やしておき、食べたいときにそうめんをゆでて入れるだけ。

 冷やかけを入れていたガラス容器、私はひとり分のビビンバを入れるのにもよく使っています。スプーンでがしがしと混ぜたいビビンバ、金属があたるのも気にせず使えて、どっしり安定感があるのもいい。シンプルなガラス容器だと映えて涼やかにもなるし、ビビンバならではの色とりどりな具のきれいさも目立ちます。

 耐熱ですから、もちろんグラタンやラザニアに使うのも。シチューやミートソースの残りを入れて、チーズをかけてそのまま焼けば、翌日のごはんが簡単にできあがります。陶磁器とはまた違う見た目の面白さが生まれてくるでしょう。素朴な木製のプレートと合わせて出すと、グッとあたたかい雰囲気になるんですよ。

 耐熱のガラス保存容器、しっかりとした安定感が感じられて、私は妙に好きなのです。欠けにくいし、残ったらそのままふたなり、ラップなりして冷蔵庫に入れられる気軽さもいい。みなさんも自由に使ってみてくださいね。

白央篤司

フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)がある。
Instagram @hakuo416

次の話を読む【ガラスうつわレッスン】「夏の食卓に欠かせないのは、7~10センチ程度の小皿」「ミニ冷奴を盛るとかわいい」《敏腕フードスタイリスト直伝》

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Column

うつわのある暮らし

食を彩る素敵なうつわとともに日々を過ごす。憧れるけどなにから始めたら? フードライターの白央篤司さんが、「うつわのある暮らし」を始めるヒントを探りに、うつわの専門家を訪ねました。

2025.08.27(水)
文=白央篤司
撮影=平松市聖