黒板アートの全国大会「日学・黒板アート甲子園®︎2025」の表彰式が11月24日に開催され、最優秀賞をはじめとする各部門の受賞校が決定しました。第10回を迎える今大会では、メイン大会(高校生の部)で埼玉県立大宮光陵高等学校の「仙鶴の逢引」が、ジュニアの部(中学生の部)では川崎市立生田中学校の「さあ、進んでいこう」がそれぞれ最優秀賞に輝きました。
静寂の美しさを表現した高校生の力作
メイン大会で最優秀賞を受賞した埼玉県立大宮光陵高等学校の「仙鶴の逢引」は、雪景色の中に佇む二羽の鶴を描いた作品です。白と青、赤の3色のみを使用し、濃淡で変化をつけた作品に、審査員の武蔵野美術大学・三澤一実教授は「白チョークから生み出される雪の表現が素晴らしい」と高く評価しています。
制作したチーム「いかのおすし」(2名)は、「真っさらで何も無い雪景色に、鶴が二羽だけで歩いている場面を描きました。夏真っ只中の今、涼しさを感じるように白と青、赤の3色だけで塗り、濃淡で変化をつけました。心が静まるような雪景色と、そんな世界でひそかに歩く鶴のロマンチックさを感じてほしいです」と制作エピソードを語っています。
中学校生活の思い出と未来への希望を描いた中学生の力作
ジュニアの部で最優秀賞に輝いた川崎市立生田中学校の「さあ、進んでいこう」は、緑豊かな森を背景に、冒険に出かける3人の生徒たちの姿を描いた作品です。
「生田中学校美術部」(3名)は、「絵の具から生み出された私たち3人は、これから冒険へと出かけます」と制作意図を語り、卒業を前にした3年間の思い出と、これからの人生を「冒険」と捉えて表現しました。審査員の日本チョークアーティスト協会・熊沢加奈子会長は「アングルを上手に捉えたストーリー性を感じるデザインであること、そして所々に動物が出現することでユニークかつポップにも仕上がっています」と評価しています。
表彰式では「みんなで黒板アート」を共同制作
11月24日に武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスで開催された表彰式には、上位入賞11チームが一堂に会しました。今回は新たな試みとして「みんなで黒板アート」も企画され、全国から集まった実力者たちが協力して一つの作品を作り上げました。
主催者である日学株式会社の吉田朋弘代表取締役社長は「黒板アート甲子園は、2015年のプレ大会から始まり、今回で通算11回目を迎えました。ここまで続けてこられた最大の理由は、やはり何よりも中高生の皆さんのパッションです」と述べ、「私たち日学は、単に黒板をつくる会社ではなく、こうした若者たちが、自分の力を信じてチャレンジできる『舞台』を、これからも提供し続けたい」と意気込みを語りました。
若者の創造性を支える黒板アートの舞台
2015年のプレ大会から始まり、今回で11回目を数える「日学・黒板アート甲子園®」。黒板・ホワイトボードメーカーの日学株式会社が主催するこの大会は、中高生たちの創造性とチャレンジ精神を育む場として定着しつつあります。
今後も多くの若者が黒板という伝統的な「キャンバス」を通じて、自分たちの思いや才能を表現していくことが期待されます。
日学・黒板アート甲子園®︎2025事務局公式サイト
Column
CREA'S CHOICE
新製品やイベント情報など、選りすぐりの気になるニュースをお届けします。










