わたしがアウトドアで出会った「忘れられない景色」

「大学時代にバックパッカーでヨーロッパをめぐっていたときに、フィンランド最北端のラップランドで見た景色です。オーロラを見たい一心で友だちと北極圏へ行ったんですけど、12月の現地の気温は−30℃が基本で、それより低いときもあって……。屋外へ出て外気を吸うと、肺がパリッとする感覚がわかるんですよ。それくらい寒いところなので、地元のひとたちが助け合って生きている雰囲気で、とにかくみんなやさしかったです。
なにもかもが凍っていて街全体が白一色で、日の出や日没のときには空の微妙な色の移り変わりだけを楽しむことができる幸せな世界でした。結局、そのときはオーロラを見られなかったのですが、その後訪れたスウェーデンでついに見ることができました」

――そんな板坂さんがアウトドア初心者に伝えたい、「アウトドア半径を広げるコツ」とは?
「私はよく子どもと一緒に山登りをするので、子育て中のママ向けにお話したいと思います。私が子どもを初めて登山に連れていったのが3歳のときで、“まだ小さいから途中から抱っこかな”と思っていたんですが、意外に胆力があって結局、3時間くらいかけて登りきったんですよ。がんばってきれいな景色を見たり、おにぎりを食べたりして喜んでいました。
帰ってからも山で見つけた虫とか植物の絵を描いたりと、子どもにとって自然は最高の勉強の場だなと実感しました。子どもは親の想像以上にがんばれることも多いと思うので、まだ小さいし……と思わず、興味がある方はちょっとしたハイキングとか山歩きに挑戦してみたらいかがでしょう。ママ友たちで誘い合わせて、高尾山とか身近な山へ行ってみるのも楽しいと思います!」
OUTDOOR PRODUCTS(アウトドアプロダクツ)
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一ノ瀬 伸(いちのせ・しん)
ライター。1992年、山梨県市川三郷町生まれ。立教大学社会学部卒業後、山梨日日新聞記者、雑誌「山と溪谷」編集者などを経て2020年からフリーランス。時事やインタビューのほか、旅や自然、暮らし、精神などに関する記事を執筆している。

Column
【アウトドアブランド社員に聞く!】外遊びを楽しむための必携リスト
ちょっと遠出してキャンプやハイキング、身近な自然でバーベキューやピクニック……そんなアウトドアの時間をいっそう楽しくしてくれるのが、機能的で素敵なアイテムたち。でも数多く発売されているアウトドアグッズの中からどれを選べばいいのか迷ってしまう。そこで外遊びの達人である、アウトドアブランドの社員たちにおすすめを聞いてみよう。
2025.08.23(土)
文=一ノ瀬伸
写真=鈴木七絵