「ジル サンダー(JIL SANDER)」から、京都にある4つの伝統工芸工房とコラボレーションした唯一無二の限定アイテムが登場。ジル サンダーの創造的精神と、伝統工芸の卓越した技術が深く結びついて生まれた特別なコレクションとなっています。

 8月1日(金)よりジル サンダー JR京都伊勢丹にて順次先行販売を開始、9月からはジル サンダー 銀座でも展開されます。


ジル サンダーと工房が生み出した京の逸品

 今回のコレクションで発表されたのは、京都で続く伝統工芸工房「南條工房」「印染工房スギシタ」「宮脇賣扇庵」「染司よしおか」それぞれと作り出した4つのアイテム。

 ミニマルで洗練されたデザインが特徴的なジル サンダーが、代々受け継がれる匠の技と環境や素材の恵みを最大限に活かすものづくりの姿勢を持つ伝統工芸工房と出会い、共鳴し、深遠な対話により誕生しました。

南條工房 × ジル サンダー〈おりんチャーム〉

 創業200年余り、仏具のおりんや祇園祭の鉦を手がけてきた老舗「南條工房」と共につくり出したのは、南條工房のシリーズ「LinNe-Chibi」の技術とジル サンダーの「タングル」バッグに着想を得た組紐が一体となった、おりんチャーム。

 工房が独自で編み出した配合により硬さを増した合金「佐波理(さはり)」を用い、薪をつかう伝統の鋳造技法によって、すべて手作業で作られます。正絹を使った組紐は神社仏閣での結びによく使われている「唐打紐」、結び目は「相生結び」「二重叶結び」「おだまき」と、それぞれご縁結びや願いを叶える想いが込められています。

印染工房スギシタ × ジル サンダー〈手ぬぐい〉

 1936年創業、家紋や印を幕やのぼりなどに染める伝統工芸「印染」の技術を持つ「印染工房スギシタ」との協業では、ジル サンダーのアーカイヴプリントである「カリフォルニアのサンセット」「アメリカンヴィンテージ」、そしてこの企画のために特別にデザインされた「ワイルドフラワー」を精巧に再現した手ぬぐい3種が誕生。

 最上級の手ぬぐい素材「特岡」を用い、伝統に基づき両端を縫わない仕様にすること、最新のテクノロジーを使用した精密なプリントと伝統的な後処理の手法をとること。これらの手法により、鮮やかな色彩と繊細なデザインを保ちながらも、生活用品として使える機能性と耐久性を実現しています。

宮脇賣扇庵 × ジル サンダー〈布扇子〉

 1823年(文政6年)創業、京扇子の老舗として200年以上にわたり雅の美と伝統を継承してきた「宮脇賣扇庵」の技術と、ジル サンダーのアーカイブに保管されている貴重な生地を使って生まれた布扇子。

 扇子職人達による繊細な手作業と専心が一点一点の作品に命を吹き込み、軽やかな手触り、開いたときの優美な曲線、閉じたときの優雅な佇まい......一朝一夕にはいかない揺るぎない品格を宿します 。房には繊細な絹糸が1920本も贅沢に使用され、淡路結びのモチーフが永久の願いを表しています。

染司よしおか × ジル サンダー〈植物染ハンカチ〉

 創業 200 年余り、京都・伏見の豊かな水に恵まれた地で日本古来の色を染め継いできた染織工房「染司よしおか」とつくり出したのは、植物染めの麻ハンカチセット4種。化学染料を一切使わずにおこなう植物染は、紫根、藍、紅花、茜などの根や葉や花から時間をかけて抽出・発酵させて染液を作る伝統的な染色方法です。

 平安時代の貴族が嗜んだ色彩美学「かさねの色目」に着想を得ている本作。春「桜のかさね」、夏「竜胆のかさね」、秋「落栗色のかさね」、冬「鈍色のかさね」と、日本独自の四季を映すような美しい4色での展開。日常をそっと彩ります。

 ジル サンダーと京都の工房が織りなすこの上のなく美しいコレクションは、現在ジル サンダー 京都伊勢丹にて順次先行発売中、9月からはジル サンダー 銀座でも。

2025.08.07(木)
写真= KEITA GOTO
文=上野 郁