ここでは、映画も商品なのだなあと実感させられる

ビーチ沿いにアイルランド、ロシア、スイス、韓国、香港など世界中のパビリオンが並ぶ。もちろん本国フランスが一番大きいテントを出している。南米やアフリカなどは各国共同で出展している。

 『太平輪』は日本円にして40億近い製作費がかかっているとされ、その分、配給権の値段も高く、まだ日本をはじめ各国の配給会社はどこも買い付けに二の足を踏んでいる状態。そこでどーんと花火を打ち上げに来たわけだ。こんなに話題になっているんだから、ぜひ買ってね、というアピールなわけで、夜な夜な開かれるパーティーもそういう意味合いが強い。

 一方、『エクスペンダブルズ3』はすでに公開が決まっている国が多いため、どちらかと言えばマスコミへのPRの側面が強い。

 ちなみにシャイボーイの金城くんは、会見には登場したもののパーティーには出席せず。でも翌日は快くインタビューに応じてくれた。これはまた、何かの機会に。

パレの地下にあるのがマルシェ=マーケット。日本のブースはちょっと寂しい感じ。

 映画祭メイン会場パレ・デ・フェスティバルの地下に、映画会社がブースを出し作品の商談をしている様子は、映画も商品なのだなあ、と実感させられる。

 ビーチ沿いにはインターナショナル・ビレッジと呼ばれるテントばりの白いパビリオンがずらりと並び、世界中の国旗がはためいている。こちらは各国の映画振興協会やフィルム・コミッションが、自国の映画産業そのものをアピールするスペース。いわゆる、映画万博会場といった雰囲気だ。ロケの招致や、人材、映画祭などのアピールするのが目的で、大臣クラスの要人や、タイなどは王女(といっても、結構なお年だが)がやってきてパーティーをしたり、大物監督が講演をしたりする国も多い。

 アメリカン・パビリオンには去年は、キアヌ・リーブスも来たりしていた。ただしこのパビリオンの出展料が高いため、日本は数年前にパビリオンをやめてしまい、マーケットにブースを出すだけになってしまった。COOL JAPANを唱っているわりにちょっと情けない話ではある。

石津文子 (いしづあやこ)
a.k.a. マダムアヤコ。映画評論家。足立区出身。洋画配給会社に勤務後、ニューヨーク大学で映画製作を学ぶ。映画と旅と食を愛し、各地の映画祭を追いかける日々。ときおり作家の長嶋有氏と共にトークイベント『映画ホニャララ はみだし有とアヤ』を開催している。好きな監督は、クリント・イーストウッド、ジョニー・トー、ホン・サンス、ウェス・アンダーソンら。趣味は俳句。俳号は栗人。「もっと笑いを!」がモットー。