この記事の連載
赤澤かおりの鎌倉ひとり飲み #01
赤澤かおりの鎌倉ひとり飲み #02
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赤澤かおりの鎌倉ひとり飲み #20
赤澤かおりの鎌倉ひとり飲み #21
カウンターが華やぐ繊細な料理を

小川シェフは、とにかくじっとしていません(笑)。カウンターの中を行ったり、来たり。オープン中は常にお客さんを楽しませることに全力。オープン前は厨房をともに切り盛りしてくれるスタッフの藤盛さんと仕込みに全力。そして1分でも早く帰って家族とともに過ごす時間に全力。

休みの日には大好きな野球や最近も走り切ったマラソンなどのスポーツにも全力という、熱い人(顔も濃いめで熱い)。本当は、照れ屋でラブリーなんだけど、それをひた隠しにしながらカウンターの向こうでひとりパフォーマンスを繰り広げる姿を見るのが、お酒のいい合いの手であり、ここでのいい時間でもあるのです。

小川さんのラブリーさが伝わってくるのは、まず料理。素材を大切に、できるだけ余計なことをしないところはウンブリア州の料理と同じくシンプル。だけれども、小川さんの料理は、そこにさらに繊細に手をかけているのがわかる仕上がりと盛り付け。

それに加えて自身やスタッフが絵付けした、ちょっとプププと笑えるキュートな器を合わせているところもいいな、とずっと思ってきました。だから、リストランテで、カウンターのみ(以前はテーブル席もありましたが、ワインが増えすぎてテーブル席がワインセラーになったそうです!)だけれど、緊張するには及びません。料理とともにお酒を飲む楽しさを実感すること間違いなし! ですから。

というわけで私は、ラブリーなパフォーマンスと本当は照れ屋で繊細なシェフの次の手(料理、お酒のセレクト、会話など)を拝見したくて、またあの小さな脇道の扉を開けに行ってしまうのです。

La Luce(ラ・ルーチェ)

所在地 神奈川県鎌倉市雪ノ下1-7-6
電話番号 0467-23-2352
営業時間 11:30~15:00(L.O.12:00)、18:00~22:00(L.O.19:00)
定休日 水曜、不定休
※ランチコース(7品)7,480円、ディナーコース(8~9品)10,780円。
赤澤かおり(あかざわ・かおり)
料理雑誌の編集部を経て、フリーランスに。料理と旅の編集者として活動。料理本のほか、30年以上通い詰めるハワイについての執筆、単行本編纂も多数。近著に「人生にはいつも料理本があった」(筑摩書房刊)、編著に「いざ、豊島屋」(KADOKAWA刊)。
Instagram @kaoriakazawa.akalohasunny

Column
赤澤かおりの鎌倉ひとり飲み
鎌倉で暮らしながら、料理編集者として飛び回る毎日を送る、赤澤かおりさん。どんなに忙しくても赤澤さんが元気いっぱいなのは、地元・鎌倉でお酒を飲む時間。このシリーズでは女性のひとり旅も多い鎌倉で、「ひとり飲み」に優しいお店をご紹介します!
2025.04.13(日)
文=赤澤かおり
写真=榎本麻美