美しい髪を手に入れたい! でもどうやって? そこで、ヘアケアメーカーの研究者・長谷部未来さんに、美髪のための基本的な知識やNG行為などを、じっくりお聞きしました。「極上うるツヤロング」を作るためのテクニックと併せてチェックを。
美しい髪を育む、おすすめのシャンプー&トリートメントも紹介します!
美髪になるために重要な三大ポイントとは?

――そもそも、美しい髪の定義とはどんなものでしょうか?
いくつかありますね。まずは、頭頂部付近にツヤ、いわゆる「“天使の輪”がある」こと。次に、「髪の中間から毛先にかけて、まとまりのあるシルエットである」こと。髪にダメージがあるとまとまりがなく、広がってしまうからです。そして「色ムラがないこと」ですね。白髪と黒髪がまばらだったり、ヘアカラーがムラになったりしていないこと。これらが揃うと美しい髪といえると思います。
――では、これらの条件を満たし、美しいロングヘアになるために必要なことは、具体的にどんなことでしょうか?
3つのポイントがあると思います。まずは「地肌ケア」。次に「今ある髪の毛をキープし、過剰に脱毛させない」こと。例えばひっかかったりすると、抜けてしまいますよね。現在の髪の毛に無理な負荷をかけないことが大切だと思います。
最後に「今、生えているものを切れさせない」こと。ドライヤーやアイロンなどの熱ダメージを放っておくと、切れ毛につながります。切れてしまうと元には戻らないので、今ある毛を大切にすることに気を遣ってほしいと思います。
――美しいロングヘアにするために、実はやってはいけないことはありますか?
実は美しさをキープするためには「こまめに切ること」が大切なんです。なので、伸ばしっぱなしはおすすめしません。
――それはちょっと意外でした。
ダメージは、毛の中間から毛先にかけて出てきます。それがひっかかりの原因になり、切れ毛につながってしまいます。また、髪の毛は、一本一本毛周期が異なっていて、伸びる速さが違います。なので、2~3カ月ごとに切るほうが、美しいシルエットをキープすることもできます。
――日々の生活などで気をつけることはありますか?
忘れてほしくないのが、紫外線対策です。実は紫外線は、ヘアカラーのようなダメージを髪に与える要因になります。それは、タンパク質を酸化させて弱くしてしまうから。外出するときは、日傘やUVスプレー、帽子などでブロックしましょう。
また、過度なダイエットなどによるタンパク質不足は健やかな美髪づくりの邪魔をします。バランスの良い食事を摂るのがよいと思います。もちろん、良質な睡眠も大切です。
美しいロングヘアになるためにもっとも欠かせないのが「地肌ケア」!

――先ほどの三大ポイントの中に「地肌ケア」とありましたが、具体的にはどんなことでしょうか?
意外に思う方も多いかもしれませんが、地肌ケアの基本は「シャンプー」。ですから、シャンプー選びはとても大切です。
美髪は、健康な地肌、つまり頭皮から生まれます。健康な頭皮になるためには、汗や皮脂、大気中のチリ、そしてスタイリング剤などが蓄積しすぎていないことが重要です。毎日一回洗髪して付着した汚れを落としましょう。頭皮に汚れが蓄積し続けると炎症の原因になることがあります。頭皮に慢性的な炎症があると、白髪や薄毛になりやすいというデータもあります。
――なんとなく、コンディショナーやトリートメントが重要な役割を担っていると思っていました。驚きです。
シャンプーを重要視していない方は意外と少なくないんですよね。地肌ケアは本当に大切なんです。
健康な頭皮は、青白く透明感がありますが、加齢(エイジング)と共に黄みがかってしまう場合があります。これは皮膚における「酸化」や「糖化」という現象によるものなので、使用するケアアイテムによる抗酸化アプローチが必要になります。頭皮は自分ではなかなか見ることができないので、ヘアサロンでチェックしてもらうことをおすすめします。
2025.03.20(木)
文=増本紀子(alto)
撮影=釜谷洋史
モデル=藤田雅馨(CREAアンバサダー)