この記事の連載
チュ・ジョンヒョクさんインタビュー【前篇】
チュ・ジョンヒョクさんインタビュー【後篇】
ホテル経営の夢は、なくなりました(笑)

――ケナを演じた女優コ・アソンさんとはキャラクターの内面についてのお話はされましたか?
コ・アソンさんとは、リハーサルをする時など、演技についてはたくさん話をしましたね。キャラクターの内面については、監督と多くの話を交わしました。
――ジョンヒョクさん自身もニュージーランドに留学をされていた経験があるそうですが、留学をしようと思った理由を教えてください。
きっかけは両親からのすすめでした。だから、最初は自分の意志で行きたいと思って決めたわけではなかったんです。父はテコンドーの道場を運営していたのですが、もっと広い視野を持つことが大切だと考え、僕を留学させることにしました。
――何歳の時に行かれたんですか?
14歳の時から海外留学に行きました。最初はフィリピンに行って、16歳からニュージーランドの高校に行きました。
――ジェインはニュージーランドに定住することを選びますが、ジョンヒョクさんは韓国に戻ろうと思ったのはどうしてですか?
ニュージーランドで大学1年を終える頃、学費の負担がとても大きいと感じました。両親への負担を考えると申し訳なく思い、一度兵役に就いて、除隊後に状況を整えてから2年生に進もうと考えたんです。それで韓国に戻ってきたのですが、そのままこちらに定着することになりました。大学ではホテル経営学を専攻していて、その頃の僕は「いつか自分のホテルを経営したい」という夢を持っていたんです。でも今は……もうその夢はなくなりましたね(笑)。
チュ・ジョンヒョク
1991年7月27日生まれ、韓国仁川出身。16歳から21歳までニュージーランドに留学。オークランド工科大学在学中、兵役のため韓国に戻ったのち、2015年に俳優デビュー。ドラマ「ユミの細胞たち」(21-22年)、「ハピネス」(21年)を経て、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」(22年)の弁護士クォン・ミヌ役で脚光をあびる。キム・ソンファン監督『IRON MASK』(23年/日本未公開)で映画初主演。本作では第45回青龍映画賞新人男優賞にノミネートされている。TBS系新春スペシャルドラマ「スロウトレイン」(25年)で日本ドラマデビュー。キム・ヘス主演のドラマ「トリガー ニュースの裏側」(25年/Disney+)ではメインキャストに抜擢された。
『ケナは韓国が嫌いで』3月7日公開

ソウル郊外の団地で両親と妹と共に暮らす28歳のケナ(コ・アソン)は、片道2時間かけてソウル市内の金融会社に通うも、競争は激しく、誰もが上層部の顔色を伺い、昼食さえ自分の好きなメニューを選べない鬱々とした日々。大学時代からの恋人ジミョン(キム・ウギョム)は、「自分が就職したら支える」と言うが、そんな彼にケナは苛立ちを隠せない。ケナは働きたくないわけではないのだ。だがケナの母は裕福なジミョンとの結婚を待ち望み、転居先を購入するための費用もケナに頼ろうとする。ソウルの寒すぎる冬、地獄のような通勤、興味のない仕事、恋人との不透明な未来、仲は良いが価値観の古い家族との息の詰まる日々。ここでは幸せになれないと感じたケナは、ニュージーランドへ向かう。監督は『ひと夏のファンタジア』(15)のチャン・ゴンジェ。韓国の是枝裕和とも称される俊英が、チャン・ガンミョンのベストセラー小説「韓国が嫌いで」を元に、若者のリアルを映す。主演は『グエムル-漢江の怪物-』(06)のコ・アソン。
出演:コ・アソン チュ・ジョンヒョク
監督・脚本:チャン・ゴンジェ
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配給:アニモプロデュース
公式HP:https://animoproduce.co.jp/bihk/

2025.03.07(金)
文=石津文子