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医食同源の教えが息づく琉球ガストロノミア

 「星のや沖縄」での滞在で1度は体験してほしいのが、メインダイニングでいただくディナーコース「琉球ガストロノミア~Bellezza~」。沖縄にいまも息づく医食同源の教え「クスイムン」を体にとっての“美”=Bellezza(ベレッツァ/イタリア語で「美」)と捉え、沖縄の食材・食文化にイタリア料理の技法を組み合わせた、独創的なコースです。

 例えば、前菜の「鮪のタルターラとローゼル」は、沖縄が全国有数の鮪の産地であることをものがたる一品。良質の赤身をコラトゥーラ(魚醤)でマリネし、ビタミン・ミネラルが豊富なローゼルを加えたコンソメジュレを合わせ、軽く燻製したシャコをトッピングしています。鮪は血流を促す不飽和脂肪酸のDHA・EPAも豊富で、冷えや肌トラブルにもアプローチする食材です。

 「牛フィレと山羊肉のインボルティーニ」は、しっとり・やわらかな牛フィレ肉を滋養効果の高い山羊肉とシマナー(からし菜)で包んだメインディッシュ。ミネラル豊富なターンム(田芋)のピュレと、久米島味噌のソースでいただきます。

「沖縄ならではの素材の持ち味、風土や食文化を伝えてくれるお料理にワクワクしました。薬草やスパイス、発酵食品、柑橘などの取り合わせも楽しかった。沖縄の畑作業で使われるというカゴや、色鮮やかなやちむんなどの器使いも新鮮でした」

2025.02.15(土)
文=伊藤由起
写真=橋本 篤
写真協力=星のや
ヘアメイク=布施綾子
協力=星野リゾート