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　湯浴みに癒され、宿の設えや調度に和む。ひとり温泉の楽しみはさまざまですが、腕利きの料理人がこしらえるご馳走が待つ“憧れの湯宿に泊まる”という究極のご褒美旅を今年こそ。

日本の美食の粋を極めた特等席へ

●星のや東京［東京・大手町温泉］

「繊細な重箱」のような外観。
「繊細な重箱」のような外観。
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ユニークなアクティビティのひとつ「天空朝稽古」は、視界を遮るビルや柵が一切ない地上160mの高層ビル屋上で行う剣術稽古。
ユニークなアクティビティのひとつ「天空朝稽古」は、視界を遮るビルや柵が一切ない地上160mの高層ビル屋上で行う剣術稽古。

　かつては江戸城の表玄関、いまでは国内屈指のビジネス街としてエグゼクティブが闊歩する大手町。そんな場所でひとり温泉ステイが叶うなんて、開業から8年が過ぎた今でも心ときめく。

各フロアにある「お茶の間ラウンジ」は客室の延長としてくつろげるスペース。
各フロアにある「お茶の間ラウンジ」は客室の延長としてくつろげるスペース。

　青森ヒバの重厚なドアから中に入ると、そこは無機質なビル街とは一線を画す静けさと温かみに包まれた“塔の日本旅館”。

外壁に施した江戸小紋が客室の表情に。
外壁に施した江戸小紋が客室の表情に。
畳敷きのダイニング。
畳敷きのダイニング。

　廊下、エレベータ内、パブリックスペースと、ほとんどの場所が畳敷きで、素足の感触が気持ちいい。

最上階の17階には、地下1500mから湧き出る天然温泉の露天風呂がある。
最上階の17階には、地下1500mから湧き出る天然温泉の露天風呂がある。

　最上階に設えられた天然温泉の大浴場には、空が見える露天風呂も。格子を抜ける風や、かすかに聞こえる街の音を感じながら、都心ならではの湯浴みが楽しめる。

日本各地の食材・食文化×フレンチのディナーコースから「鮭の焼き漬け」。
日本各地の食材・食文化×フレンチのディナーコースから「鮭の焼き漬け」。

　最近話題となっているのが、2023年からスタートした「Nipponキュイジーヌ～美食の集い～」。日本各地で育まれた食文化とフレンチの技法と融合した、独創的なディナーコースだ。

「Nipponキュイジーヌ～美食の集い～」（33,880円）秋限定メニューより。滋賀：牛肉の炭火焼きに滋賀の郷土食・鮒寿しの飯に漬けた牛肉で作るハンバーグ。滋賀の牛肉と鮒寿しの飯（いい）を合わせた熟成感のある旨み。
「Nipponキュイジーヌ～美食の集い～」（33,880円）秋限定メニューより。滋賀：牛肉の炭火焼きに滋賀の郷土食・鮒寿しの飯に漬けた牛肉で作るハンバーグ。滋賀の牛肉と鮒寿しの飯（いい）を合わせた熟成感のある旨み。
「Nipponキュイジーヌ～美食の集い～」（33,880円）秋限定メニューより。岡山：貝出汁で炊いた米に炭火焼きの蛸を合わせて。（右）2杯目は煮穴子と卵あんで。
「Nipponキュイジーヌ～美食の集い～」（33,880円）秋限定メニューより。岡山：貝出汁で炊いた米に炭火焼きの蛸を合わせて。（右）2杯目は煮穴子と卵あんで。
「Nipponキュイジーヌ～美食の集い～」（33,880円）秋限定メニューより。江戸/東京：鰻に見立てた秋刀魚の蒲焼き。海苔・山葵・梅干しのアクセントが絶妙。
「Nipponキュイジーヌ～美食の集い～」（33,880円）秋限定メニューより。江戸/東京：鰻に見立てた秋刀魚の蒲焼き。海苔・山葵・梅干しのアクセントが絶妙。

　参勤交代により、各地の大名が江戸へと移り住む際に持ち込まれた食材、食文化が江戸の料理人に伝わり、料理の発展・洗練を促した。

星のや東京 総料理長・岡 亮佑さん。
星のや東京 総料理長・岡 亮佑さん。

　そんな背景を持つ東京ならではの晩餐は知的好奇心を大いに刺激する体験だし、コンセプトを破綻させることなく本質的な美味しさをもって表現するシェフの手腕は、さすがのひと言に尽きる。

　冬限定メニューでは、どんな体験が待っているのか。“その瞬間の特等席”で、ぜひ味わってみたい。

日本料理の五味・五色・五法を取り入れ、すべてのバランスを調えることを突き詰めた和朝食「めざめの朝食」9,680円。
日本料理の五味・五色・五法を取り入れ、すべてのバランスを調えることを突き詰めた和朝食「めざめの朝食」9,680円。

星のや東京

所在地　東京都千代田区大手町1-9-1
電話番号　050-3134-8091（星のや総合予約）
ひとり料金　1泊182,000円～（食事別）
ひとり対応　通年可
アクセス　東京メトロ大手町駅A1・C2c出口より徒歩約2分
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyatokyo/

次の話を読む大分・湯布院温泉【ENOWA YUFUIN】温泉オーベルジュならではのボタニカル・リトリートで温泉と新鮮野菜を満喫！

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2024.12.21(土)
Text＝Yuki Ito
Photographs＝Takashi Shimizu

CREA Due 2025年1月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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