この記事の連載
「界 鬼怒川」【前篇】
「界 鬼怒川」【後篇】
![鬼怒川の四季を映す大浴場。春は桜の花見も楽しめる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/7/1280wm/img_375ed108947ad9fcfbf0b19dfa68641b216584.jpg)
鬼怒川の渓流に面した小高い丘の上に建つ湯宿「界 鬼怒川」。益子焼や黒羽藍染など、民藝に縁の深い土地ならではの設えとおもてなしに癒されます。前篇では、鬼怒川の四季を映す大浴場と、益子焼の魅力を伝える“ご当地楽”を中心にご案内します。
![宿の建物は小高い丘の上の静謐な環境にある。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/1/1280wm/img_116d8ae4a8f08a0a4e2ef4399c8ff203242193.jpg)
スロープカーに乗り込んで非日常の世界へ
首都圏から約2時間、鬼怒川温泉駅から車で5分の好アクセスな場所に建つ「界 鬼怒川」。鬼怒川温泉郷といえば、渓流の両岸に林立する巨大ホテル群が思い出されますが、そのイメージはいい意味で裏切られます。
![林間の小径の先に見えてくる小さな入口。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/8/1280wm/img_78c7e59032521e6dffbfb4c02759cc7a227488.jpg)
切り通しのアプローチを抜けると見えくるのは、大谷石で造られた待合い。ゲストはスロープカーで急斜面を登りながら、非日常の世界へと誘われます。ちなみに、脇道を歩いて登ることもできるので、脚に自信がある方は荷物だけ預けてトライしてみるのもあり。とくに新緑の季節は、森を抜ける風が気持ちよくておすすめです。これも3万6,000平米に及ぶ広大な森の敷地があってこそ。
![森の中を進むスロープカー。ちょっとしたアトラクションのようでワクワク。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/7/1280wm/img_470030073289511c6c77d05a272a3019285756.jpg)
![急斜面の先に見えてくるエントランスホール。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/2/1280wm/img_22d4490f566c86da12b14f8cbb7cbfe0270997.jpg)
![スロープカーを降りると、大谷石にいけられた季節の花々。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/7/1280wm/img_b7d78f71503c8b66f3a35f7e4c29c1ed185475.jpg)
![屋外とシームレスなエントランスには益子焼の水琴窟。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/4/1280wm/img_5454d9cce67f535538b4d6376dc71e0b149231.jpg)
エントランスホールは、みずみずしい季節の花々や、益子焼でつくられた水琴窟がゲストを迎える静謐な空間。館内へと足を進めると、フロントロビーとラウンジ、トラベルライブラリーがあります。宿泊棟や食事処、大浴場などの建物は中庭を取り囲むように配置。屋外に開放された回廊で繋がっています。
![民藝の里にふさわしい、シックな雰囲気のフロントホール。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/f/1280wm/img_5f24b0014f7052e961871041b2a74492111117.jpg)
![フロントのバックボードにも益子焼があしらわれている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/f/1280wm/img_cf11ae4f17ac0b4c59610b6822f52b2097482.jpg)
![施設の中心には、四季折々の表情を見せる中庭が広がる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/9/1280wm/img_39c4db9e7eb29aa897de76352b7bdc45352778.jpg)
![中庭を眺めるトラベルライブラリーのソファでくつろぎのひとときを。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/7/1280wm/img_3704cfbddca654e33dd6fe1ad3d45a87187653.jpg)
トラベルライブラリーを特徴づけているのが、益子焼を中心に日本全国の個性的な豆皿を揃えた「豆皿ギャラリー」。スタッフがセレクトした約300枚の豆皿を自由に手に取って眺めることができます。コーヒーを片手に焼き物に関する蔵書を読んだりしながら、ゆっくりと流れる時間に身を委ねるのもいいですね。
![日本各地の器を手にとって楽しめる、豆皿ギャラリー。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/b/1280wm/img_5bf2926e9e35586addc2d7d29bb58e9a185859.jpg)
![益子焼の壺? ……にしては不思議な形状。その正体はこの夜、明らかに。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/b/1280wm/img_5b4795cef554bd5e1b64bcf0634810f5139673.jpg)
![益子焼に黒羽藍染をあしらった灯籠に誘われ、大浴場へ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/b/1280wm/img_ab5f35bdd0f0c10e6ce1e9e443e9595390466.jpg)
2024.04.03(水)
文=伊藤由起
写真=志水 隆