ストレスフルな社会でがんばっている人が活躍できる世の中にしたい

 自らの辛く苦しい経験を通じて辿り着いた植物療法の世界。「デザイナーとして生きてきた自分がハーブに関わる意味はなんだろう」と自問自答を繰り返してみつけたのは、人を癒す素晴らしい効能のあるハーブに、「クリエイティブの力で付加価値を与えることではないか」ということ。暮らしの中で、ハーブを使うことに喜びが感じられるプロダクトを目指しました。

 人間関係や仕事のストレスを抱え込みがちな生真面目な人が、気持ちよく毎日を迎え活躍できる世の中にしたい。メンタルの不調から立ち直る過程で学んだことや試してみてよかったことを、このブランドを通じて伝えていきたいと語るセタさん。

 味にも徹底的にこだわり、「ハーブティーはおいしくない」という俗説を覆すために何度も試作を重ねて、今までにない“五感が喜ぶ”ハーブティーが完成したのです。

 セタさんがハーブに興味を持ち始めたとき、正直言うと自分がほしいと思える商品がなかったそうです。少々野暮ったくて味気ないものばかり……。ここでデザイナーとしての本領が発揮されます。細部のデザインへのこだわりの最たるものは、BOXパッケージの蝋。

 ひとつひとつ手仕事で蝋を溶かし、繊細な紐の上にスタンプを。効率を考えたらとてもできない手間のかかる作業ですが、同じ形のものはひとつとしてない、唯一無二のBOXに。シックで洗練されたパッケージは、大切な方への贈りものとしてもふさわしく、自分用に求めて暮らしのなかにあるだけで、気持ちが高揚してきます。

2024.12.18(水)
文=CREA編集部