近年、安定した人気を誇るチリワイン。エラスリスは数あるチリのワイナリーの中でも、150年にわたり高品質なワインを造り続けています。
歴史あるワイナリーの、創業者の名を冠したボルドースタイルのワイン「ドン・マキシミアーノ ファウンダーズ・レゼルヴ」は、チリワインの最高峰とも評され、その洗練された味わいで、年末年始の食のシーンをより充実した華やかなものにしてくれます。
世界にその名を轟かすチリワインを育むテロワール
エラスリスの創業者ドン・マキシミアーノ・エラスリスは、チリ近代化の礎を築いたともいわれる富豪で、エラスリス家はこれまでに2人の副司祭と4人のチリ大統領を輩出した名家でもあります。
チリを代表する名門ワイナリー、エラスリスの歴史は1870年にドン・マキシミアーノ・エラスリスがチリのアコンカグアにフランスのぶどう品種を植えたことから始まりました。「テロワールを尊重し、自社畑のぶどうから、洗練されたエレガントなワインを生む」という彼の哲学は150年を経た現在でも継承され、世界的ワイナリーとしての実績を積んでいます。
チリには“カベルネの聖地”と謳われ、高品質なワインが生まれる土地があるのをご存じでしょうか。地球温暖化が進み、世界各地の冷涼産地に関心が集まる中、世界屈指のテロワールが広がるアコンカグアは、チリで最も高品質なワインが生まれる土地として世界中から注目されています。
この“カベルネの聖地”アコンカグアこそが、1870年にドン・マキシミアーノ・エラスリスが見出した土地。ワイナリー最高峰の「ドン・マキシミアーノ ファウンダーズ・レゼルヴ」もここから生まれます。
2004年、エラスリスの名を世界に轟かす出来事がありました。ベルリンでヨーロッパを代表するジャーナリストやソムリエが参加して開催された試飲会「ベルリン・テイスティング」でのことでした。
フランスの五大シャトーやアメリカのオーパス・ワンなど、世界を代表するワインを破り、ナンバー1に輝くという快挙を成し遂げたのです。チリワインの品質の高さを世界に知らしめ、エラスリスのその名声は、不動のものとなりました。
世界で最も有名なワイン評論家のロバート・パーカー氏からもチリのベストワイナリーという高い評価を得て、2018年にはワイン専門誌『Decanter』で6代目当主のエドゥアルド・チャドウィック氏がマン・オブ・ザ・イヤーに選出されています。
2024.12.05(木)
文=齊藤素子
写真=橋本 篤、志水 隆