◆西福寺の紅葉

 西福寺は、約650年前に良如上人が開いた浄土宗鎮西派の旧・中本山。市街地の西、大原山麓にあり、境内にある1,400坪の書院庭園では、四季折々のさまざまな表情を見ることができる。紅葉の例年の見ごろは11月中旬頃。

 徳川家とゆかりが深い寺で、嫡男庶子が住職を務めたことにより、越の秀嶺とよばれる。敦賀市内で最古の阿弥陀堂をはじめ、御影堂、書院など、重要文化財も多数所有している。

 紅葉が美しく、浄土宗では北陸きっての名刹とされている。江戸中期の建築で、庭園は国の名勝。極楽浄土をあらわす庭園紅葉を、江戸後期作の四修回廊から眺めるのが、おすすめだ。

西福寺の紅葉(さいふくじのこうよう)

所在地 福井県敦賀市原13-7
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◆萬徳寺と大山モミジ

 萬徳寺は、花の名所として知られる真言宗の古刹。江戸時代に作庭された枯山水庭園は国指定の名勝となっており、四季を通して自然があふれるこの庭園を、秋になると国の天然記念物である大山モミジが彩る。萬徳寺は、日本の紅葉百選にも入る、中世の駆け込み寺だ。

 10月下旬から11月中旬は、モミジと白い砂、山の緑が見事な調和を見せてくれる。

 木造阿弥陀如来坐像は、檜材寄木造の素地仏で、ヒノキの質感が穏やかさを感じさせる。藤原時代末期の絵画である絹本著色不動明王三童子像、鎌倉中期の絵画の絹本著色弥勒菩薩像などの国指定の重要文化財を所有している。

萬徳寺と大山モミジ(まんとくじとおおやまモミジ)

所在地 福井県小浜市金屋74-23
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2024.10.05(土)
文=CREA編集部