いいサービスは「気づかない」
右:吉川さんのブルックリンの自宅にはアイカラーだけで1万個もあるそう。
2008年のブランド誕生時にデビューした「ソリッドファンデーション」は、革命的な製品だった。当時、ツヤは「テカリ」と呼ばれて敬遠され、マットに仕上げることが良しとされていた。そんな時代に「ツヤ肌」を提唱するファンデを世に送り出したのだ。ツヤ(テカリ)も隠すのではなくいかすべき、と吉川さんは考えていた。
「ツヤ肌はちょっとした光でも反射するから、毛穴や色ムラを飛ばして、顔の立体感をきれいに出してくれるんです。
今やツヤ肌は大流行中だ。ソリッドファンデは2011年、厚く塗っても薄く塗っても色が変わらない処方にリニューアルされ、さらに使いやすくなっている。「なのに誰も褒めてくれなくて。でも、それでいいと思う。本当にいいサービスは、気づかないものだから」と、吉川さんは笑う。
右:製品化されたミスティック パウダーアイシャドウ。右からEX11、12、13 (各5,500円 限定発売)
昨年発売されたパウダーファンデーションは、パウダーでツヤ肌を実現するという画期的なことをサラッとやってのけた。次なる一手は?
「ここ数年はリップメイクが中心で、アイメイクは『目ヂカラ』時代で止まっているでしょう? 次は“目の厚化粧”からみなさんを解放しますよ」
2014.03.23(日)
文=佐藤陽子
撮影=藤巻 斉(静物)、杉山秀樹(取材)