この記事の連載
オーストラリアの最南端に位置するタスマニアは、南極からの風が吹き美しい海に囲まれ、空気も水も澄んだ清らかな場所。
赤褐色の岩に彩られた海辺、天の川が流れる星空など地球の奇跡と、豊饒な大地が育む豊かな暮らしを体験したい。
自由な風が吹くウォーターフロントの町
タスマニアの玄関口のホバートはサリバンズ湾に面した美しい港町。船着場からはクルーズ船や豪華客船がゆったりと行き来する様子が見え、旅人を迎え入れる自由でオープンな雰囲気に包まれている。
この町を好きになる理由の一つが、レストランのクオリティが想像以上に高いことだ。良質な土壌で育まれた野菜、海の幸などの食材に恵まれていることもあり、フレッシュな美味しさが光る多彩な料理に出会える。
カルチャー面でも秀逸で、専用の船で向かう現代アートをメインにした美術館 「MONA」は、地上2階、地下3階のアートのテーマパークのようなスポット。刺激的なアートワークとの対峙によって、多彩な価値観に触れることができ、心に新しい風を吹き込んでくれる。
そして、ホバートはオーストラリアのなかでシドニーに次ぐ古い都市でもある。
かつて船員が住んでいた住宅街のバッテリー・ポイントや羊毛やリンゴの倉庫街だったサラマンカ・プレイスなど、歴史を感じながら、落ち着きある建物やストリートを巡りたい。
2024.04.25(木)
文=梅崎奈津子
写真=橋本 篤
コーディネート=池谷仁美