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できることなら年1回、自分をオーバーホールするために訪れたいウェルネスの園

 本格的なウェルネスリゾートには、ウェルネスの哲学や施術の方法の根底に、古くから受け継がれている伝統医学の礎があるものです。具体的にあげるなら、アーユルヴェーダや中国伝統療法など。ここズラルがウェルネス哲学の指針にしているのは、アラブ・イスラム教諸国で育まれた“TAIM(Traditional Arabic & Islamic Medicine)”。日本ではあまり聞き馴染みのないものですが、世界三大・伝統医学のひとつとする説もあるものです。

 TAIMとは、かつて中東が世界の文化の中心であった時代、交易によってインド・中国・パキスタン・ペルシャに伝わる伝統的療法が伝播し、イスラムの宗教的影響が加わったもの。その考え方をざっくりまとめると、こうなります。

 人のカラダは4つの体液からなり、それぞれに1熱性、2冷性、3湿性、4乾性の性質があります。このバランスが取れた状態が健康な状態であり、バランスがくずれると病気になってしまいます。食べ物や飲み物、薬などもこの4つの性質に分かれ、その人の性質に合ったものをバランスよくとることが大切。また、人はこの4つの性質によって性格や行動パターンまでも異なります。

 ズラルでは、このTAIMに基づき、カタールというアラビアンな空気と海辺の穏やかな環境のもと、充実したファシリティや経験豊かなスタッフのサポートを受けながら、自分に合ったウェルネスに勤しめるのです。

2024.04.10(水)
文・撮影=古関千恵子