こだわりのご当地朝食と朝風呂で至福のひととき
温泉に浸かってぐっすり眠れば、目覚めもスッキリ。その勢いで、毎朝7時から湯上り処で開催されている「木漏れ日体操」に参加してみましょう(要前日予約)。深い呼吸とストレッチを組み合わせた20分ほどの体操ですが、これがなんとも気持ちイイ。体の隅々まで新鮮な酸素が行き渡り、寝起きでこわばっていた体が目覚めていくのを感じます。
体操が終わると、いよいよお腹がぐーっ。朝食は、栃木の郷土食を盛り込んだ和食膳です。例えば、鱒の頭の部分を細かく刻み、野菜や酒粕などと一緒に煮込んだ「しもつかれ」。
もともとは、正月に食べた塩引き鮭の頭や、節分に煎った福豆などの残り物を使い、初午(2月最初の午の日)に稲荷社に備える行事食であり、食材を無駄にしない先人の知恵がつまった一品です。
鍋で登場するのは「ばっとう汁」。ばっとうは、すいとんのようなもので、こちらでは湯波をねりこんで作るそう。根菜などと一緒に煮て、味噌仕立てでいただきます。
お腹がいっぱいになったら、ふたたび大浴場に向かうもよし。中庭を散策したり、徒歩5分の「ふれあい橋」まで行って鬼怒川の渓谷美を眺めたり(朝は観光客も少なめなのでおすすめ!)、トラベルライブラリーやお部屋でくつろぐもよし。チェックアウトは12時なので、ギリギリまで滞在を満喫しましょう。
2024.04.03(水)
文=伊藤由起
写真=志水 隆