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【DAY.3】

歴史と神秘に満ちた佐渡の古刹「北豊山 長谷寺」

 最終日は、世阿弥が立ち寄り「金島書」を記したゆかりの地へ。「北豊山 長谷寺」は、大和の長谷寺を模したといわれる807年開基の古刹です。「はせでら」ではなく「ちょうこくじ」と読むそう。本堂や庫裡、経蔵、米蔵、鐘堂など、江戸時代に建てられた建造物も多く残り、参道のボタンの古木も美しく、花の寺としても知られています。

 展示室は6室あり、33年に1度開帳される、秘仏の「木造十一面観音立像3体」(国指定重要文化財)と同じ様式の「木造十一面観音立像」(県指定有形文化財)を拝観することができます。「木造矜羯羅童子立像」(県指定有形文化財)、「木造白山女神坐像」(市指定有形文化財)をはじめ、平安期の金剛力士像、五智堂など、歴史を物語る文化財を数多く所有しています。

 また、「うさぎ観音」の寺としても有名ですが、種類豊富な体験コースも魅力です。写経や座禅といった仏教を学ぶコースから、アトラクション感覚で楽しめるものまで、自由な発想力でさまざまなコースを用意。お棺の中で住職の法話を聞いて、「生まれ変わる」という暗闇体験や肝試し体験も人気があります。

 そして、長谷寺のパワースポット、「高野槙」(県指定天然記念物)には実際に触れることも。高野槙は、心霊が宿るとされる神聖な木。この木の根元には、300年前から地蔵尊が鎮座しており、高野槙の幹のコブに触れることで、大地の力と合わせて二重のご利益がいただけるといわれています。せっかくなのでダブルのパワーを注入して帰路へ。

北豊山 長谷寺

所在地 新潟県佐渡市長谷13
電話番号 0259-66-2052
https://sado-choukokuji.jp/

2024.03.29(金)
文=大嶋律子(giraffe)
写真=釜谷洋史