苦しい中での笑える方法は、繰り返しの日常の中に喜びを見つける。仕事や学校がツラいのであれば家に帰った後の楽しみを見つける、土日の休みのような小さい目標を目指して生きていく。

 この世は地獄だけど、地獄であるならば天国になる可能性も秘めている。

 闇が濃ければ濃いほど光がその存在を示せるように。

(3)自分にとっての正解をのんびりやっていれば──カルメンさん(女性)・49歳より

 非凡な中野さんだから、心に抱える地獄がおありなんですね。自分にとっての正解を、信じる道を、のんびりやっていれば、なるようになるのではないのでしょうか。難しく考えるのをやめる。その場面にふさわしいかどうか、など、色々と余計なことを考えると、疲れる。

 

 これが凡人の私が辿り着いた答えです。

 東山魁夷の著書の中で、生きることについて自問自答していました。引用します。

〈人生の旅の中には、いくつかの岐路があり、私自身の意思よりも、もっと大きな他力に動かされている。……このひとすじの道を歩こうという意志的なものが育ってきて……〉

〈私の現実の場を考えると、この中で生きていくより他に方法がない。どこかへ逃げていくわけにもゆかない。これが私の道なのだ。この私の置かれた場所で私に出来る最善を尽くすだけだ。そして、自分を見失わないことだと思った。〉

 私は、中野さんの著書『ペルソナ』を読んで、著者と読者が頭の中で会えるという箇所を読んだとき、そんなのありえないでしょと思いましたが、今では作者と頭の中で会える感覚が持てるようになりました。趣味で小説を書いているのでよく分かりますが、書くのは地味で大変な作業です。こんなの書いても意味ないよなぁと思いつつ、好きだから書いています。好きなことするのが一番の癒しになるのではないでしょうか。

(4)人生は必然の上にあるだけだと考えれば──流氷さん・73歳より

 私は18~20歳までの3年間多くの事を考えました。

2024.04.09(火)
文=こみねあつこ