「両親は信仰熱心な人たち。でも『おはよう』の挨拶もなかった」(中野)
「別れて楽になろうと話し合っていたら、子どもを授かったとわかったの」(内田)
『サイコパス』『不倫』(ともに文春新書)などのベストセラーがあり、目下大ヒット中の最新著書『空気を読む脳』(講談社α新書)では「相手の気持を察し、同調を求め、不倫を叩き、幸福度が低い」という日本人の価値観の背景には脳の影響があると説く脳科学者の中野信子(44)。
内田裕也と樹木希林の一人娘で、エッセイストとして活躍する内田也哉子(44)。
今年1月14日、『週刊文春WOMAN』の創刊1周年トークイベント「What is a family!?」(#1、#2、#3)では、樹木希林ブームで注目を集める内田家を、中野が脳科学の観点から分析。初対面ながら意気投合した2人は、本日3月23日発売の『週刊文春WOMAN』2020春号で再び対談。
「75分のトークイベントでは全然話し足りなかった」という2人は、今回は時間制限なし、編集者の陪席なしでとことん対話。そこで出てきたのは、これまで明かしたことのない「親」「夫」についてのエピソードと、そこから導いた人生観だった。
団結が苦手で、周囲から浮いてしまう「落伍者」だった
幼い頃から団結が苦手で、周囲から浮いてしまう「落伍者」だったという中野は、親に助けを求めることもできなかったという。
「両親は信仰熱心な性質だったので、いわば個人の意思よりも団結や結束を大切にする側の人たちなんです」
「父と母は仲が悪く、物心ついたときには家には会話がなかった。『おはよう』の挨拶もないという」
「うちの場合は母のほうがたくさんの人を愛するタイプだったんじゃないかな。惚れっぽくて(笑)。結局、私が高校3年生のときに帰ってこなくなった」(すべて中野)
2020.04.04(土)
Illustrations=Gento