――どうもありがとうございました。


(2023年11月29日収録・「オール讀物」2月号より)


『今日の花を摘む』あらすじ

 出版社の製作部に勤める50代の愉里子は茶道を趣味で嗜みながら、もう一つ密かな楽しみを持つ。彼女が「花摘み」と呼ぶのは、社内の親しい同期にも秘密の、セックスを伴う男性との恋。更年期を迎え、体の変化を察知しながら「今日が一番若い」と日々を謳歌していた。ある日茶道を介して知り合ったのは、70歳の粋人・万江島。余裕漂う彼に惹かれる愉里子は性に関する事柄も赤裸々に語る。しかし、彼は前立腺がん治療の影響により、男性機能を失っていた。万江島と「花摘み」とは異なる新たな愉しみ方を見出す愉里子だが、ある晩、彼の一方的な要求に傷つけられる。後日正直に「嫌でした」と思いをぶつけた途端、万江島の態度が急に冷たくなり……。元売れっ子高級ソープ嬢で現投資家の万江島の愛人・北川すみれ、同期入社の上司・モリジュン、役員にセクハラを受ける洒脱な後輩・松岡など、周囲の人物の抱える問題とも誠実に向き合う愉里子の行く先は。

光のとこにいてね

定価 1,980円(税込)
文藝春秋
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

愛されてんだと自覚しな

定価 1,870円(税込)
文藝春秋
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

オール讀物 2024年 02 月号 [雑誌]

定価 1,100円(税込)
文藝春秋
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

2024.03.28(木)