〈水道水とミネラルウォーターの“違い”とは…? 専門家が教える「正しい水分のとり方」〉から続く
近年、様々な研究でわかった「食べ物」と「見た目の加齢」の関係性。何をどう食べたら老けないのか……ジャーナリスト・笹井恵里子氏の著書『老けない最強食』(文春新書)は、各食品のスペシャリストに徹底取材している。
ここでは、本書から一部抜粋して紹介。発酵食品の代表格・納豆を食べるときの「意外な落とし穴」とは?(全2回の2回目/最初から読む)
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もし毎日コツコツ食べたほうがいいものを一品だけ挙げるとするなら?
それは納豆だ。どの専門家も「一押し食品」と断言する。原材料の大豆は五大栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル)のすべてを備え、体内で生成されない9種類の必須アミノ酸も含む。さらに食物繊維が豊富で、発酵食品でもあるから腸内環境を整える。
納豆を食べる習慣がある人は脳卒中の死亡リスクやがん発症リスクが低下するという報告がある。健康食品というイメージが強いが、実はアンチエイジングにも十分役立つのだ。納豆の「老けない作用」を解説しつつ、「意外な落とし穴」についても紹介しよう。
老けない作用(1) AGE(糖化)の予防
本書全編を通して、老化を促進する悪玉物質「AGE」の危険性についてたびたび指摘している。AGEは、タンパク質と糖がくっついて劣化する現象(糖化)が進むことで発生する。高温加熱調理によって食品中でも発生するし、体内で血糖値が急上昇して糖化が進むことでも発生して蓄積される。そうしてAGEがたまると、シミやシワなどが増えて老け顔になったり、動脈硬化が起きたり、骨がもろくなったり、変形性関節症を発症したりするなどさまざまな機能障害が起きる。
納豆にはこのAGE蓄積を防ぐ成分が含まれているのだ。管理栄養士の望月理恵子氏がこう説明する。
「大豆に含まれる大豆イソフラボン、食物繊維、ビタミンB1、大豆レシチン(脂質の一つ)は、いずれも糖化を防ぐ働きがあります。抗糖化作用に加えてポリフェノールの一種である大豆イソフラボンや大豆レシチンは、高い抗酸化作用があります」
2024.03.25(月)
著者=笹井恵里子