「ナットウキナーゼの効果は8時間程度持続することが複数の研究からわかっていますので明け方まで作用します。また納豆にはアルギニンというアミノ酸が多く含まれます。これは成長ホルモンの分泌を促進してくれるため、夕食に納豆を食べれば成長ホルモンの分泌によって細胞の修復がスムーズに進むなど、アンチエイジング的な働きも期待できます」(望月氏)
もちろん朝食に食べるのがNGなわけではない。特に冷え性の人が朝に納豆を食べると、良質なタンパク質の力によって体温上昇がスムーズに進むというメリットがある。
納豆を食べるときの注意点
ここまで納豆の良さを挙げてきたが、気をつけたいのが醤油や添付のタレを納豆にかけること。醤油をかけすぎれば塩分過多になり、タレには糖分や塩分、果糖ブドウ糖液糖などの添加物が含まれる商品が大半だ。せっかく糖化を防止する成分が納豆に含まれ、美容健康に優れているのだから、そこで「糖分」「塩分」をタレによって追加するのはもったいない。タレではなく「良質な脂質」をかけよう。若返りビタミンといわれるビタミンEが納豆には豊富と記したが、脂溶性のため油と一緒に摂ることで吸収率が良くなるのだ。
例えば「亜麻仁油、エゴマ油を数滴垂らす、ツナを混ぜる」などを望月氏は提案する。
「私は納豆にキムチをトッピングします。納豆に由来する納豆菌と、キムチの乳酸菌のダブル効果で腸内環境に有益となります」
堀氏は「しらす」を混ぜ、その塩分でおいしくいただくことが多いという。
「しらす干しを調味料がわりに使うことが多く、納豆にもかけますね。そこに生の卵白を入れ、レンジで白身がかたまるまで数十秒チンするととてもおいしい。しらす干しにはカルシウムの吸収を促すビタミンDが含まれますから、骨づくりに役立ちます」
それでもタレをかけたい場合は…
どうしてもタレをかけたい時には、納豆をよくかき混ぜてからに。
「混ぜる前にタレや醤油を入れてしまうと粘りが弱くなるので、納豆に含まれるアミノ酸のうま味を感じにくくなるかもしれません。反対にタレを入れずにかき混ぜると、ネバネバふっくらして体積が広がり、舌とうまみ成分がふれあう部分が増え、おいしく感じやすくなります」(望月氏)
2024.03.25(月)
著者=笹井恵里子