Magnificent View #138
ギャルリー・ヴィヴィエンヌ(フランス)

(C) Sergio Pitamitz / Masterfile / amanaimages

 パリ右岸に残るガラス屋根で覆われたアーケード街を、パサージュと呼ぶ。

 ギャルリー・ヴィヴィエンヌは、1823年に開通したパサージュ。パリで最も美しいパサージュと呼ばれるだけに、天井のアーチ、床に敷き詰められた大理石が実にエレガントだ。

 このパサージュは、当時のパリを代表する盛り場だったパレ・ロワイヤルやグラン・ブールヴァールの中間という地の利から、開業後しばらくは大変な賑わいを呈した。だが、19世紀中葉以降、花の都の中心街はシャンゼリゼ大通りなど、西に移る。さらに同世紀後半に百貨店が登場すると、パサージュ自体が時代遅れの存在となってしまった。

 しかし、1961年に中央の丸天井が復元されてからは、一転、モードの最先端を発信する場所となる。高田賢三、鳥居ユキ、ジャン=ポール・ゴルチエといった著名デザイナーが、ギャルリー・ヴィヴィエンヌにブティックを構えたのだ。

 古いパリと新しいパリ、双方の魅力を兼ね備えたこのパサージュを散策したい。

Column

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2014.02.15(土)