フランス有数の磁器の町、リモージュで誕生

 1863年、フランス有数の磁器の町リモージュで産声を上げた“ベルナルド”は、2013年生誕150周年を迎えました。ベルナルドは創業ほどなくして、ナポレオン3世から高い評価を得て、皇室御用達の窯に指名されましたが、そのストーリーは、ベルナルドの今を決定することになった、美しい名誉だったでしょう。

(C) Bernardaud 150 years

 今日では、リモージュ最大の規模を誇る窯を構え、“ベルナルド”は、磁器業界の中でも確固たる地位を築いてきました。高級ホテルや星付きレストランで広く愛用されているのも、伝統を守りつつ、革新を取り入れていくという、そんな気風があるからに違いありません。そんなベルナルドが150周年を祝って、「進化するベルナルドのテーブルアート!!」と称し、今を彩る名アーティストたちとのコラボレーションで、新作コレクションの皿を発表するという大胆な試みをしています。

 アーティストは、ジャン-ミッシェル・アルベロラ、デヴィッド・リンチやソフィ・カル、ジェフ・クーンズといった蒼々たる12組13名。2004年世界ソムリエチャンピオンで、パリに“イル・ヴィノ”という1つ星のレストランを所持するアンリコ・ベルナルドは、早速そのコレクションのうちのサルキスによる皿を飾り皿として店で使用していました。それは、日本の金継ぎという考えをテーマにし、金継ぎをデザインとして施した12枚のシリーズのコレクションです。金継ぎを施すことで皿は独特なものとなる、というサルキスの日本からインスピレーションを得た作品なのでした。

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text:Aya Ito