“ウッフ・ア・ラ・マヨネーズ”は、“鰊のマリネ&蒸したジャガイモ”や“ポロ葱のヴィネグレットソース和え”などとともに伝統的なパリのビストロ料理の1つです。“ウッフ・ア・ラ・マヨネーズ”とは、マヨネーズを添えた卵のことで、要は、かたゆで卵を半分に切って、マヨネーズを上に乗せ、レタスやトマトなどのサラダを周りに飾り付けたものですが、家庭的であまりにも平凡な皿であるために、その存在にはあまり光があたることがありませんでした。ところが、パリジャンは、この略してウッフ・マヨを執拗に愛していて、各人に思い入れがあるようです。

 現在89歳にもなるフランスの美食評論家の1人で執筆活動も健在のクロード・ルベイさんは、ウッフ・マヨの価値を再発見しよう、素晴らしさを見つめ直そうと、今から12年前に“A.S.O.M(ウッフ・マヨを救う会)”を立ち上げています。以来、ルベイさんら会員が、これぞと思うウッフ・マヨに、毎年最高賞を与えてきました。ビストロブームの立て役者であるイヴ・カンドボルドさんの店がウッフ・マヨ最高賞に輝いたこともあります。

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text:Aya Ito