2013年ナンバーワンのウッフ・マヨ

 ルベイさんらが考える良きウッフ・マヨの姿とは、単純にマヨネーズを添えただけのものではなく、とにかくグルマンであること。そのため見た目も大事で、けちけちしていないたっぷりとした様相であることが1つ。またサラダには、賽の目切りにしたニンジン、ジャガイモ、グリンピースなどの野菜のマヨネーズ和えが添えてあること。卵は1個75gくらいの大きなものをチョイスしていて、半分に切って供するが、黄身は綺麗な黄色に固ゆでにされていること。さらに卵の白身の部分を上にしてサラダに飾り付けるのですが、その上に塗り付けるマヨネーズは、十分にマスタードソースがきいていて、流れるような口当たりであること。

 そんな厳しい批評家たちのお眼鏡に、今年かなったのが、7区の伝統的だがシックで美味しいビストロで知られる“シェ・ズ”でした。今回の最高賞を与えられるポイントとなったのは、まず、賽の目切りにした野菜がとてもフレッシュで、歯ごたえがしっかりとしていること。大きな卵と絶妙な固ゆで加減。そして、上に綺麗な卵のミモザをちりばめていることだったそうです。“シェ・ズ”のシェフ、ベルトラン・ゴトロさん曰く、「ベーシックなレシピだからこそ、素材や細かなこだわりで、最高の味わいになります」。

D' Chez Eux (シェ・ズ)
住所 2 av. Lowendal 75007 Paris
電話番号 01-47-05-52-55
定休日 日曜日
URL www.chezeux.com

伊藤文(いとうあや)
パリ在住食ジャーナリスト・翻訳家。立教大学卒業。コルドンブルー・パリ校で製菓を学んだ後、フランスにて食文化を中心に据えた取材を重ねる。訳書に『ロブション自伝』『招客必携』(いずれも中央公論新社)、著書に『パリを自転車で走ろう』(グラフィック社)など。日本復興支援協会GANBALO代表。

Column

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text:Aya Ito