「春節」とは旧暦のお正月のことで、中国では元旦(1月1日)よりも盛大に祝われる大事な祝祭日。春節は二十四節気のはじまりで「この日から春が始まる」というおめでたい日なんです。
2024年の春節は2月10日(土)~2月17日(土)。大みそかにあたる2月9日(金)から春節の期間は「新年を祝い、この一年が幸せになるように」と願いを込めて縁起のいい食べものを味わう習慣があります。
そんなご利益たっぷりのラッキーフードが集まるのは、日本最大級のチャイナタウン、横浜中華街! 既に真っ赤なランタンの燈花でお祝いムードたっぷりの中華街は、昨年も春節の2週間だけで約100万人が訪れたという大人気スポット。幸運を呼びこむ料理で、おいしく運気アップを願いしに出掛けませんか?
お金の形をした水餃子で金運UP!【張記小籠包】
水餃子は古代の貨幣「元宝」に似た形をしていることから、富や財をもたらす縁起の良い食べものとされています。さらに、餃子という字に「交」「子」があるため“子宝に恵まれる”という説や、古い年と新しい年が“交わる”という意味もあって、春節の代表的な料理になっています。
小籠包が名物の「張記小籠包」は、実は水餃子もファンが多い逸品! 上海出身のお母さんが、ひとつひとつ粉から皮を手作り。餡には鹿児島産黒豚を使っていて、もっちりした皮を頬張ると豚のうまみたっぷりの肉汁が口中にあふれ出し、幸せな気分に包まれます。
水餃子は2種類あって、白い皮は栃木県産のニラ×鹿児島県産黒豚のスタンダードな組み合わせ。緑の皮はセロリ×黒豚で、シャキシャキとしたセロリともちもちの皮の食感の対比が好印象。ココナッツ入りのちょっとオリエンタルな特製醬油ダレでいただきます。
もうひとつのラッキーフードは湯圓(タンユエン)です。台湾や中国の伝統的なスイーツで、もち粉の生地で餡を包んだ団子のこと。日本の白玉団子に似ているかもしれませんね。湯圓の発音は中国語の「家族だんらん(団円)」と発音が似ていて、満月のようにまるい形から“家庭円満”など幸運を呼ぶ食べ物とされています。春節のほか、冬至やお祝いのときに欠かせない食べ物なんです。
アツアツの湯の中でゆらりと揺れる湯圓は、絹のようになめらかでツルンとした舌触り。かじれば中からザクザクした胡桃とナツメがほろっとあふれ出てきます。餡はしっかり甘く、しっとりした生地と口の中でとろけ合う瞬間はまさに至福。ほか、黒ゴマ餡の湯圓もおすすめです。
水餃子や湯圓などは、冷凍でテイクアウトもできるので、お持ち帰りして家でまったり春節を楽しむこともできます。
張記小籠包(チョウキショウロンポウ)
所在地 神奈川県横浜市中区山下町146-2 羅ビル1F
電話番号 045-226-4078
営業時間 11:30~15:00、17:00~21:00 ※土・日曜・祝日は通し営業
定休日 月曜(祝日は営業、翌日休)
交通 みなとみらい線元町・中華街駅より徒歩4分
2024.02.09(金)
文=嶺月香里
撮影=榎本麻美