入試の2か月前に息子から「麻布受験をしたい」と聞き、ネットで急いで情報を集めたところ、麻布の試験は開成などに比べても記述式が多いことが特徴で、思考力を問うものが多いと書かれていました。つまり「暗記問題より記述問題の配点が高い」のだろうと。それがわかった時、あと2か月しかなくて記述は苦手だけど、もしかしたらいけるかもしれない、と思って。

息子の非凡な文才に驚き

――お子さんは、数学は得意で国語が苦手ということかと思ったのですが、麻布の試験はむしろ逆では。

赤平 たしかに息子は、決められた文字数にきちんと収めるというアウトプットは苦手です。でも私は、思考力という本質の部分でいえば、むしろ彼に非凡な文才を感じていたんです。

 

 彼が小学1年の時に、物語を創作する作文を書きました。決して難しい言葉を使っているわけではなかったのですが、言葉の選び方と、その組み合わせのおもしろさを読んで、よくこんな言葉を紡げるなと率直に驚いてしまって。親バカかもしれませんが。

日々の細かな気づきをアプリに記入

――小3で中学卒業レベルの数学ができるとなると、そちらの方に目が行きがちですが、赤平さんの目線は違ったんですね。

赤平 僕もはじめは数学が得意なタイプだと思ってたんです。でも、アナウンサーという職業で20年以上、言葉のプロとして生きてきた自分が嫉妬するほどの文章を書けるのは普通じゃない、と感じました。この能力が記述問題の多い麻布の受験にハマれば、ものすごく点数が伸びるのでは? と思いました。

 あと、親は、子どもの体調の異変にすぐ気づくじゃないですか。それと同じで、ずっと彼を見てきているから、子どもの関心とか熱意なんかもわかるのかなと思います。そこは発達障害のこともあって、僕は彼が小さい時から「100年日記」というアプリを使って日々の細かな気づきも書いていたので、そんなことも役立っているかもしれません。

2023.12.04(月)