また気をつけたいのは、天井に固定するために天地を逆にした状態では、排熱効率が下がるためか、発熱量が増すケースがあることです。なかには60℃を超えるケースもあり、ハードウェアの寿命にも影響しかねません。天地を逆にして天井に取り付けるのではなく、壁面へのネジ止めで済ませられるようであれば、それに越したことはないようです。

<電気ポットや炊飯器>

 ここまでIT関連の製品を主に見てきましたが、発熱量の多さでいうと、調理家電や冷蔵庫などの生活家電にかなうものはありません。ただ別の製品もしくは手段で代替するのが難しいため、対策するにしても限界があるのが難点です。

 

 その中で気をつけたいのは、電気ポットや炊飯器など、保温機能がついた家電製品です。例えば電気ポットは、お湯を沸かしたらすぐに使い切り、保温状態で長時間放置しないようにすることで、熱をかなり抑えることができます。電気ポットはキッチンではなく生活空間に置かれることも多いため、室温を押し上げる要因になっている可能性があります。

意外と発熱していない家電は?

 次に、あまり発熱がなく室温に与える影響が少ない家電製品、また発熱はしているものの対策が難しい家電について見ていきましょう。

<電話機・FAX>

 電話機やFAXはもともと消費電力も低いため、常時オンにしていたところで、それほど発熱はありません。異常な熱を持っている場合は、本体の故障などが考えられますので、違う意味で注意したほうがよさそうです。

 またこれと近いところでは、自宅のインターホンやチャイム、セコムなどホームセキュリティ機器も、省電力での長時間運転が考慮されているため、40℃を超えることは稀です。たとえ発熱量が多くてもオフにできない機器ということもあり、あまり気にしなくてよいでしょう。

<エアコンや扇風機>

 エアコンで熱を持つのは主に室外機であり、本体はそれほど熱は持たないため、室温に与える影響はそう高くはありません。扇風機も同様で、極端に古い製品でなければ、長時間使用して問題ないでしょう。

2023.09.10(日)
文=山口 真弘