夏の暑い時期、自宅内の室温を下げるには、エアコンなどを活用するのはもちろんですが、発熱量の多い家電製品をなるべく使わないというのも、重要な着眼点のひとつです。

 もちろん中には冷蔵庫のように、熱を発しているからといって運転を止められない家電もありますが、その一方、オフにしても差し支えないのにずっとコンセントにつながって発熱し続けている家電も存在します。これらをオフにすれば、室温の上昇を抑制できるだけでなく、電気代の低減にもつながって一石二鳥です。

 今回は、スマホに装着して使用する市販のサーモカメラを用い、家庭内のさまざまな家電製品の発熱を調べてみました。ふだんあまり気づかない、室温をこっそり押し上げている家電はどれでしょうか。客観的にチェックしてみましょう。

 まず最初にサーモカメラについて紹介します。これらは被写体の温度を色に変換してスマホの画面に表示してくれるアイテムで、LightningやUSB Type-Cなどスマホの端子に取り付けて使用します。価格はおおむね2~3万円程度で、10万円以上するような専用機器を購入しなくとも、身近な被写体の温度測定に活躍します。

温度が色と数字で見え、写真と重ねてくれるのでわかりやすい

 今回使用しているサーモカメラ「FLIR」は、被写体の温度を色および数値で表示するだけでなく、線画に変換した被写体をそれらの画像に重ねて表示してくれるので、わざわざ実物の写真を隣に並べなくとも、1枚の画像で被写体の詳細とその温度をまとめて確認できるのが売りです。

 さてこのサーモカメラを使って、発熱量が多く、すぐにでも対策ができそうな家電を探していきましょう。室温よりも高いという条件だとほぼすべての家電が当てはまってしまうため、おおむね40℃を基準としてチェックしていきます。

 

スマホの充電器は60℃を超えることも!

<充電器と電源タップ>

 サーモカメラで室内を見渡してみてすぐに気づくのは、スマホの充電器など、コンセントに挿して使うUSB充電器の発熱量の多さです。特に急速充電に対応した製品は、充電中は60℃近くに達することもあるほか、充電完了後にケーブルをつないだままにしていても、40℃を超えていることがしばしばです。

2023.09.10(日)
文=山口 真弘