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 プリキュアの登場から20年。今年、5年ぶりに全プリキュアが大集合するオールスターズ映画、『映画プリキュアオールスターズF』が公開!

 このプリキュアが大集合する映画でメインで活躍するキャラクターの1人・キュアプリズム/虹ヶ丘ましろを演じる、声優・加隈亜衣さんに、ここにたどり着くまでの道のりをお聞きしました。(全2回の前篇。後篇を読む


――はじめてプリキュアのオーディションを受けた時のことを教えてください。

加隈亜衣さん(以下、加隈) 声優になってはじめてプリキュアのオーディションを受けた時、最初に思ったのは、「私なんかがプリキュアのオーディションを受けていいのだろうか」でした。

 私は「子どもの頃からずっとプリキュアを見て育ちました!」という、いわゆる「プリキュア世代」とは、少し年代がズレているんです。もちろん、プリキュアのテーマソングは歌えますが、私の中ではプリキュアはずっと「キラキラした遠い存在」だったので、私なんかでもプリキュアのオーディションを受けていいんだということに、まず感動しました。

――最初のオーディションは残念ながらご縁がなく、次のオーディションで妖精の役として「プリキュア」デビューされました。

加隈 はい。『ヒーリングっど♡プリキュア(ヒープリ)』(2020年)で、キュアグレースのパートナー妖精、ラビリンとして参加させてもらったのが、プリキュア初参加です。プリキュアを支える存在として大好きなプリキュアに関われることが、とてもうれしかったです。

 でも一方で、「ラビリンを受けたら、もうプリキュアとして作品に関わることはできないのでは」という気持ちもありました。そんな時、マネージャーさんから「ラビリン役を受けても、この先のプリキュアのオーディションが受けられないわけではない」と言っていただき、だったら精一杯やってみようとお受けしました。

――今年放映中の、『ひろがるスカイ!プリキュア』のオーディションはどのような思いで受けたのですか?

加隈 いつかはプリキュアになれたらいいな、とは思っていましたが、正直、「次こそ絶対にプリキュアになるんだ!」というほどの強い気持ちはあまり持っていませんでした。というのも、プリキュアのアニメシリーズは1年サイクルなので、『ヒープリ』が終わったあとは、最高に素敵な作品に1年間も関わらせてもらったことに満足しきっていたからです。

 でもオーディションがあると聞いて、またあの幸せな空間に参加できるかもしれないという思いが強まり、チャンスをいただけるなら挑戦してみようと、オーディションを受けました。

2023.09.16(土)
文=相澤洋美
撮影=杉山秀樹