TikTokでは藤井風の『死ぬのがいいわ』やあいみょんの『愛を伝えたいだとか』などが人気となっている。
また韓国ではコロナからの解放感から、「リベンジ海外旅行」が爆発的な人気になっており、その旅行先としても日本は人気だ。今年上半期の海外旅行者が日本は361万人だったのに対して、人口5000万人強の韓国では993万人にのぼっていることからも過熱ぶりがよくわかる。そしてそのうちの約3分の1の312万人が日本を訪れている。
最近は「韓国で日本ブームが起きている」と言われることも多いが、筆者にはブームというよりは自然な傾向に戻ったという印象が強い。
2018年には韓国からの訪日観光客が過去最大の753万9000人を記録したし、日本商品の不買運動「NO JAPAN」が始まった2019年でさえ、558万5000人が日本を訪れた。
その後に韓国では政権交代が起き、今年1月には映画『THE FIRST SLAM DUNK』が韓国でも空前のヒットとなったことで、それまでもSNSで日本のコンテンツを楽しんでいたZ世代の関心はさらに高まったということだろう。
コロナ禍がなければこの流れはもっと早く訪れたかもしれないが、政治的な日韓関係の改善により韓国社会の雰囲気が変わったことも大きそうだ。
2023.09.01(金)
文=菅野朋子