この記事の連載

お互いに深い信頼があってこそ、新たな挑戦への道が拓ける

――そんなお二人の歴史を伺いつつ、今回、七海さんが初プロデュースを手がける舞台『THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-』で、寿さんに主演をお願いしたきっかけは何でしょう?

七海 小劇場での舞台をずっとやってみたいという想いがありまして。そのときに「誰とやりたいか」を考えて最初に浮かんだのがすっしーさんだったんです!

寿 最初に話を聞いたときは、もう「え? え??」の連発でしたね(笑)。

七海 小劇場、しかもシチュエーションコメディをやりたい!と思っていたので、すっしーさんしかいない!と(笑)。私自身がコメディをあまりやったことがなくて、だからこそ一緒にやる方をしっかり考えました。

寿 かいちゃん、コメディはあまりやったことなかったっけ?

七海 はい、そんなに多くはやったことがなく。シチュエーションコメディは、コメディですけど笑いを狙う行動をするのではなく、会話やシチュエーションで面白さを感じてもらうので、役者が真剣に演じるからこそ面白くなるという芝居。すっしーさんの役に対する向き合い方や真面目さはピッタリだと思いました!

寿 私は本当に驚いたんです。しかも主演だと!(笑) 卒業して何をするかというのは、今年いっぱいくらいはゆっくり考えようと思っていたところだったので、お話を貰い、さらに主演という文字に驚き、自分にはそんなことできるわけがないと思いました。軽くパニック状態になったので、一度考えさせてほしいです、とお戻しして。

七海 はい。「ゆっくり考えてください」とお伝えしました。

寿 かいちゃんの懐の大きさがそこなんです。「今回がダメでも、またいつか絶対に」と言ってくれたので、私もゆっくりと考えさせてもらいました。ストレートプレイやシチュエーションコメディはやってみたいと思っていたジャンルの芝居だったので、考えれば考えるほど「挑戦したい」という気持ちが大きくなり、「よろしくお願いします」とお返事しました。

七海 本当は、「すっしーさんじゃないとやらない!」という気持ちだったので、出演してもらえるという返事の電話を切った瞬間、「やったーーーーー!」って(笑)。すっしーさんとの電話中はクールを装っていましたが、すごくすごく嬉しかったです。

寿 私自身、面白い役を多くいただいてきましたが、その度に人物そのものが面白いというよりは、真剣に生きているうえでのボタンの掛け違いや、傍から見ていて受ける“ズレ”のようなものが面白さに繋がると思っているんです

七海 まさにシチュエーションコメディの真髄ですよね。

寿 そうね。だから、今回も役柄となる人物が“真剣に生きる”というところは変わらずに作っていきたいと思っています。

――他の出演者の方々も、皆さん宙組由来の方ばかり。皆さんをキャスティングされた理由も教えてください。

七海 すっしーさんに出てもらえるとなり、次に「ぜひ!」と思ったのが緒月遠麻さんです。普段から、言葉の選び方や間の取り方が絶妙で面白い方。今回のシチュエーションコメディに欠かせないと思いました。すっしーさんが主演ですとお伝えしたところ、「面白そうだね」と即決してくれました。

――他にも伶美うららさん、澄風なぎさんが出演されますね。

七海 伶美さんは在団中からとてもしっかりとしたお芝居をしていて、素敵だなと思っていました。退団してからも何度か共演したのですが、すべての役で全然違うキャラクター性なことに毎回驚かされていて。コメディをやったら、どんな怜美さんが観れるんだろうと思いオファーしました。澄風さんは私が組替えになったため、当時はそんなに絡みがなかったのですが、決め手は2022年の宙組公演『カルト・ワイン』という作品でした。そこでのお芝居が印象的で、結構アドリブもあったのですが、それがかなり面白かったんです! 観ていて、お芝居が好きなんだなと強く感じました。一緒にお芝居をしたい、お芝居について話したいと思い、お声がけしました。

寿 楽しそうなカンパニーですよね。

七海 みんな、すっしーさんの名前を聞いて「ぜひ!」と言ってくれたんですよ。

寿 そんなふうに言ってもらえて、本当に嬉しいです。

七海 すっしーさんを中心に集まった、最高のメンバーで作る舞台、本当に楽しいと思いますので、一人でも多くの方に観に来ていただきたいですね!

【寿つかさインタビュー】 宝塚卒業への想いと、これからの道「品よくユーモアを忘れずに」 はこちら
【七海ひろきインタビュー】男役ではなく“俳優”として 自分らしさを貫くということ はこちら

寿つかさ(ことぶき・つかさ)

1990年に宝塚歌劇団に入団(76期)。1991年組まわりを経て雪組に配属。ダンスの名手として活躍し、1998年1月1日付で、宙組創設に伴う発足メンバーとして宙組へ組替え。2005年宙組副組長に、2008年5月19日付で宙組組長に就任。2023年6月11日『カジノ・ロワイヤル』東京公演千秋楽をもって、宝塚歌劇団を退団。退団後初の舞台となる七海ひろき初プロデュース作品の舞台「THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-」で主演を務める。


七海ひろき(ななみ・ひろき)

アーティストとして俳優、声優、歌手など多方面で活動。2003年に宝塚歌劇団に入団(89期)。2015年に宙組から星組へと組替えし、2019年3月に退団。同年8月キングレコードよりメジャーデビュー。初プロデュース兼座長を務める舞台「THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-」は【東京公演】8月23日(水)~8月27日(日)CBGKシブゲキ!!、【大阪公演】8月30日(水)~9月3日(日)心斎橋PARCO14F SPACE14にて上演。8月27日(日)東京公演千秋楽、9月3日(日)大阪公演千秋楽は、Rakuten TVでライブ配信も実施。

元宝塚宙組組長・寿つかさ退団後初舞台&初主演
七海ひろき初プロデュース演劇企画
舞台「THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-」

【東京公演】8月23日(水)~8月27日(日)CBGKシブゲキ!!
【大阪公演】8月30日(水)~9月3日(日)心斎橋PARCO14F SPACE14
※8月27日(日)東京公演千秋楽、9月3日(日)大阪公演千秋楽は、Rakuten TVでライブ配信も実施。

【Story】
元宝塚歌劇団宙組組長の寿つかさ主演、七海ひろきがプロデュース兼座長を務める、舞台「THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-」。謎解きやさまざまな仕かけをちりばめた新感覚ミステリーシットコム。これは、欲望渦巻く“5人の犯罪者”の物語だ。

【出演者】
寿つかさ
緒月遠麻 伶美うらら 澄風なぎ
七海ひろき

【脚本・演出】
保木本真也

【企画】
QQカンパニー

公式サイト:https://stage-the-money.com/
配信チケット詳細:https://live.tv.rakuten.co.jp/content/455529/

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2023.08.22(火)
文=前田美保
写真=佐藤 亘