リカ でも、生まれてから、代理母とはSkypeとかでやりとりを。

みっつん 代理母の方と交流があるんです。出産前に、僕たちと代理母の方との契約のなかで、「生まれた後の交流をしたいですか?」といった、その後の関わりを決める仕組みになっているんですね。

 代理母の方はステファニーといって、僕らもステファニーも交流を続けたいということで合意しています。クリスマスや誕生日にはプレゼントを贈ってくださるし、僕らも向こうのお子さんには同じようにプレゼントをして。あと、息子の誕生日にはフォトブックを贈っていますね。2年前にはアメリカに行って、ステファニーと再会もしました。

 一番大事なのは、子供が自分の出自に関して不安にならないこと。大きくなってから伝えられると、親の存在を嘘だと思ってしまって信頼が損なわれてしまう。そうならないように、年齢に応じて伝えていくことが重要というのは言われたことだし、僕たちも本当にそうだなと思って育てています。

スウェーデンでの同性カップルの暮らし

ーーお住まいのスウェーデンでは同性婚が法律で認められていますが、同性カップルの存在はしっかりと社会に溶け込んでいるのですか。

みっつん 面白かったことがあって。僕らはスウェーデンで中古の家を買ったんですけど、そうしたら前のオーナーがふたりママだったんですよ。しかも4人の子持ちで、手狭になったので同じ通りにある広い家を買って、前の家を売りに出したら、今度はふたりパパが買って住むことになったという。

 ふたりママの家はめちゃくちゃ近所なので、家に招待してもらって一緒におしゃべりしてますよ。

リカ 周りに住んでいる人たちも、もう慣れていましたね。

みっつん そうそう。「今度はふたりパパですか」みたいな。

 

ーー学校などでの対応は、どうでしょうか。

みっつん きちんとしているなと感じます。トランスジェンダーの人もいるし、同性同士で愛し合う人もいることを幼稚園の段階から教えていて。LGBTQの人たちが「特別だ」とか「変だ」と感じさせないようにしているんですね。啓蒙ではなく、教育として、そうしたことが成り立っているんです。

2023.06.25(日)
文=平田裕介