代理母出産を選択した理由
ーーサロガシーとは代理母出産のことですよね。
みっつん そうです。サロガシー以外にもゲイカップルが子供を持つ方法がいくつかあるんです。養子縁組のアダプション、友達同士のゲイとレズビアンや、ゲイとその友達の女性などで子供を育てていく共同養育のコー・ペアレンティングなどがあって、そのなかで多く選ばれてるのが代理母出産と養子縁組だと思うんですけど。
まずは養子縁組を考えたのですが、養子縁組を選ぶと、国際養子縁組になりやすい。そうなるとお金もかかるし、国によってはLGBTQのカップルには子供を養子として託せないという国もあるんですよね。
さらに、当時住んでいたイギリスで養子縁組する場合、イギリス国籍がなくても可能なんですけど、条件や審査が厳しい。1年以上イギリスに住んでいて、なおかつ持ち家がなければいけないんだけど、ロンドンの不動産価格の異常高騰で、当時の僕らには家を買うのは難しかったです。
ほかにも、将来、仕事の都合で他の国に越すかもしれないこともあって、移住しても支障のない形で子供を迎えたかった。それで、最終的に代理母出産を選んだんです。
リカ 説明会などに行って、自分たちでサロガシーとアダプションについて、よく調べたし、相談したし、ふたりで話し合いました。早く決められることではなかったから、結構長く考えて。
みっつん 様々な方法を比較して、自分たちの状況にはサロガシーが一番合っているんではないかと。
子どもを迎えるにあたって、遺言書も作成
ーーどれくらいの時間をかけて決定にいたりましたか。
みっつん 「もし、うちらに子供がいたらどうなんだろ?」と話してから、アメリカのエージェンシーと契約するまで2年かかっていますね。そこから息子が生まれるまで2年なので、トータルで4年くらいです。
どうしても英語の情報中心になるので、リカがメインでやりとりすることが多くて。一方の僕は、日本側の法的手続きなどを調べなくてはいけなかったので。常に「こういうふうになってるけど、どう?」と確認し合ってました。
2023.06.25(日)
文=平田裕介