Netflixシリーズ『離婚しようよ』は、日本のドラマ界を代表する脚本家、宮藤官九郎と大石静が、交換日記のように交互に書き繋いで脚本を完成させた異色のドラマ。ひと組のカップルが周囲を巻き込みながら離婚に突き進む姿を、コミカルに描いたオリジナルストーリー。
個性的なキャラクターやクスッと笑える小ネタを得意とする宮藤と、何気ない言葉で心をざわつかせる、繊細なセリフと筋運びが得意な大石。一見交わらなさそうなふたりのセリフたちは、俳優の身体を通して発せられるとたちまちドライブ感を増していく。
キャラクターに息を吹き込んだのは、松坂桃李と仲里依紗。女性にだらしない世間知らずの三世議員と、絶大な人気を誇る国民的女優という、特殊な環境に置かれた夫婦に扮した。共に数々の話題作に出演してきた同世代。抜群のコンビネーションを見せた初共演の裏側を聞いた。
仲さんはぶっ飛んでる人だと聞いていた(笑)
──実際に夫婦役を演じてみた感想は?
松坂 僕は仲さんのお芝居がめちゃくちゃ好きでした!
仲 えっ!! そんなこと……思ってらっしゃったんですか。私はもう、松坂さんっていう名前だけで安心感があったので、共演が決まった時は「よお~し!」って感じでした。安心感がすごくありました。現場でもすごくお芝居がやりやすかったですし、楽しかったです。
松坂 こちらこそです。僕はクランクインする前にCMの撮影現場で賀来賢人くんと一緒になったので、「次、仲さんと共演だよ」って話をしたんです。そしたら「ぶっ飛んでるよー!」って言っていました(笑)。
仲 えー!! まあ、確かに賀来くんは昔から知っているし、もう友達みたいな感覚だから(笑)。
松坂 撮影に入る前に、カメリハをやったじゃないですか。
仲 あ、ありましたね。
松坂 そこで夫婦喧嘩のシーンを本当にさわりだけ演じたんですが、喧嘩しているのになんかすごく楽しかったです。台本を読んでいても、「この言い回しはどういうふうに言えばいいんだろう?」とか「このセリフの後にびっくりマークつけるんだ」と思う部分が多くて。
そのセリフをいざ仲さんが話すと、ものすごくクリアに聞こえるというか。「あー、そうだよね。このセリフはこんな感じだよね」というものをピンポイントでついてくるのはさすがでした。素晴らしかったです。
仲 きゃ~! 恥ずかしいです。
2023.06.20(火)
文=松山 梢
撮影=佐藤 亘
スタイリスト=猪塚慶太(松坂桃李)、番場直美(仲里依紗)
ヘアメイク=Emiy(松坂桃李)、本岡明浩(仲里依紗)