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Judoさんが好きな俳優は?

――なんと素晴らしい! これは見習わねばいけないですね(笑)。では、ユドさんの“Make A Wish”は何ですか?

ユド 僕はいつでも、どこでも、一つのことだけを願っているんです。それは、毎日を幸せに生きること。日々そう願っているおかげで、この作品と出会ったり、色々と幸福が訪れていますよ。

――ユドさんは、とっても前向きなんですね。お話ししていてもそれが伝わってきます。では、2月のインタビューでフルークさんに聞いたことと同じ質問をユドさんにもさせてください。好きな俳優は誰ですか? 世界中、どこの人でも構いません。

ユド 演技が好きという意味では、ヒース・レジャーですね。もう亡くなってしまいましたが、彼は人物にとても深く入り込んで演技をしていましたね。すごく好きでした。『ダークナイト』のジョーカーは、彼が見せてくれた最高の演技だと思います。

――ヒース・レジャーはあの役柄から抜け出すことができず、睡眠薬などを飲みすぎて命を落としたのではと一説では言われています(他説あり)が、あのようなシリアスな役に挑戦したい気持ちがおありですか?

ユド ジョーカーのような役をやりたいか、と聞かれれば、それは非常に大きな挑戦ですし、僕の今の能力では演じられないかもしれません。でもシリアスな役柄は演じてみたいですね。もう一つ僕が演じてみたいのは、いわゆる自閉スペクトラム症など、発達障害を持つ人の役なんです。自閉スペクトラム症の方の感情の動きが実際にどうなっているのかなどを、たくさん学んだうえで、いつか演じてみたいですね。

『Make A Wish』ストーリー

幼い頃から幽霊が見える医師プーム(ユド)は患者たちの幽霊を見るなど、混沌とした日々。この苦難から抜け出そうとあらゆる方法を探していた彼は、魔法の力を持った菩提樹の天使グリット(フルーク)に出会う。天使は医師を助けることを決心するが、地上にいるためには人間の体を使わなければならない。そのため事故で昏睡状態になってしまった研修医メートの体を借りることにするが、メートは自分を陥れた犯人を突き止めてほしいという。

Fluke/フルーク(ナタット・シリポントーン、Natouch Siripongthon)

1996年6月1日生まれ。出演作:「609 Bedtime Story」(2022)、「Between Us~縒り合わせる運命~」(2022)、「Until We Meet Again~運命の赤い糸~」(2019)など。


Judo/ユド(タンタット・ターリンピロム、Tantachj Tharinpirom)

1991年4月29日生まれ。身長:183センチ。出演作:「The Miracle of Teddy Bear」(2022)など。

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2023.06.05(月)
筆者=石津文子
撮影=釜谷洋史