この記事の連載
- タカラヅカレッスン 前篇
- タカラヅカレッスン 後篇
なりきって踊る!
その後、先生がやってきて、いよいよレッスンスタートです。レッスンは90分。
20人前後の参加者全員で、まずはストレッチを30分程度。「長めだな」と感じましたが、それだけに行うと、次第に自分の体をていねいに扱っている感覚が芽生えてきて、自分への慈しみが生まれてくるのを感じました。こういうのも大事なんですね。
続いては、挨拶を宝塚式で行いました!
宝塚式挨拶とは、まっすぐに立って、つま先を60度程度に開いたら、その後片足を前にスライドさせ、先生の言うところの「ジェンヌ立ち」になり、頭を遠くに持って行くイメージで股関節の付け根から上体をまっすぐにしたまま45度の角度まで折って行うもの。
具体的な方法については先生のご著書でも紹介されているので、その画像を交えつつ最後に改めてご紹介しますね。
そしていよいよ、「なりきり」のメイン、踊りです。
レッスンでは、先生の指導と振り付けで、タカラジェンヌになりきってステージにいるつもりで踊るのですが、とても本格的なことに生徒はちゃんと男役と娘役に分かれるのです。
私は身長が高いので一瞬、「男役を選ぼうか」と思いましたが、結局は、娘役を選びました。
なぜならスカートが可愛かったから。
ちなみに、男役を選んだ皆さまはタキシードのような上着を各々で準備していました(とはいえ、娘役の皆さまも男役の上着も持っていて、途中で衣装チェンジしていましたが)。
私は踊りが得意ではないだけでなく、覚えが悪いのでまったくついていけていなかったのですが、それでもスカートのおかげで、タカラジェンヌになりきりやすく、楽しく踊ることができました。
しかも「なりきって」いますから、鏡の先にいるはずの観客を意識したり、一人笑顔になってみたりして、無意識ながら顔のトレーニングを行っているようでもありました。
ちなみに、どうして初参加ながらそこまで「なりきれたか」と言いますと、スカートのおかげもあるのですが、先生が参加者全員を「本当のタカラジェンヌ」として扱ってくれて、ていねいに対応してくれたうえ、振りも宝塚の舞台を想定して本格的にしてくれたから(だって、階段を下りるシーンの振りまであったんですよ!)。
また、それに応えるように参加者全員がしっかりと演じていて、キレッキレッに踊っていたのも大きくて、参加者全員の意識がこの「宝塚感」を作り上げているのだなあと思いました。
2023.05.14(日)
文・写真=にらさわあきこ
資料提供=初嶺麿代
撮影=鈴木七絵