台湾の饒河街夜市での鳥卦(神鳥占い)が“当たる!”と評判の悟明老師。実はあらゆる占術に精通していて、台湾ではメジャーな紫微斗数での鑑定も行っています。

 そこで、日本の読者のために、毎月の世相を紫微斗数で読み解いてもらうことに。ここでは大局をみる際に使われる「天下第一盤」で占います。


【2023年1月】悟明老師が占う「世界の動き」

 2023年は癸卯。癸は十干の最後で、ひとつのサイクルが終わり、新たな幕が開くことを意味します。卯は、跳ね上がる運気を象徴。つまり景気回復が見込める星回りです。ここ数年、全世界が大きな試練を経験し、各国とも混乱を極めてきましたが、ようやくコロナ禍の暗雲が晴れ、希望の光が見えてくる一年となるでしょう。1月は、そんな明るい新年の始まりを実感するひと月に。鍵となる星は、破軍星、巨門星、太陰星、貪狼星の4つです。

 破軍星=インド&南アフリカには、吉星の化禄が入ってきます。加えて左輔と天魁という吉星もあることから、今月は天が遣わしたキーパーソンによって気がかりな問題がなくなり、希望が持てるようになると読み取れます。苦境を脱するだけでなく、思いがけない幸運が舞い込むことも。

 人との関わりで幸福を得られる星回りゆえ、人々の交流が盛んになる=人の往来も増えることでしょう。特に観光業の活性化が期待できそうです。コロナ前の生活に近づくことで経済も回復傾向となり、喜びに満ち溢れたひと月に。天狗という凶星が入っていますが、吉星の力で抑えられ、大きな災害などは起こらないものと見ています。

 巨門星=ロシアには、吉星の化権が入ってきます。星回り的には財政面の安定を示しており、景気は上々、収入増に喜ぶ人々も少なくないでしょう。その一方で、政治への不信感や感傷的な気持ちが強くなるようです。また、小さな凶星の五鬼があり、これは挑発的な言動を示唆しています。巨門と化権の組み合わせは、口がもたらす災いを暗示。言葉による威嚇が強まる流れがあります。

 ロシアといえばウクライナ情勢。続いて廉貞・天相星=ウクライナ&ベラルーシを見ていきましょう。この宮自体には吉星も凶星も入っておらず、現状維持の様相ですが、隣の宮のロシアの口撃の矛先は、こちらに向いています。威嚇の対象はウクライナ、1月も不安な日々が続くこととなりそうです。神様が人々に祝福を与え、1日も早く平和を取り戻せますように。

 太陰星=アメリカには、吉星の化科、そして文曲が入ってきます。インフレは緩やかな改善傾向となり、経済面は比較的安定しそうです。太陰星は女性の星とあって、こうした困難を解決に導くのは女性の指導者の可能性大。また、凶星の喪門があり、これは命にかかわる悪いニュースを示唆。新年早々、大物の突然の逝去といった訃報が届くかもしれません。

 貪狼星=カナダには、凶星の化忌が入ってきます。これは多方面での警戒が必要なサイン。まず考えられるのが、新型コロナウイルスの変異種による大きな波が来ること。さらに、銀河線で結ばれる武曲星に入る白虎の影響を受け、飛行機や列車事故、地震などに見舞われる恐れも。とはいえ、隣合う宮の太陰星の化科や巨門星の化権などの好影響を受け、大難が小難で済む可能性大。人々の平安を祈ります。

 では、鍵となる4つの星以外の国を見ていきましょう。

 南アメリカ=紫微・天府には、吉星の右弼と龍徳が入り、凶星はありません。1月は大きな心配事はなく、大小の幸福感に包まれる日々がやってきそうです。経済運は上々、株でひと儲けする人も少なくないでしょう。

 ヨーロッパ&中東=天機星には、凶星の亡神が入ってきます。これは疫病などによる死亡率の高まりを暗示しています。しかし、隣り合う宮にある吉星の大きな力を受け、その力は半減するものと考えられます。これからのひと月は、まさにウィズコロナのあり方そのもの。一定数の犠牲が出ることに目をつぶりつつも前進していく……そんな時期となりそうです。

2022.12.30(金)
文=堀 由美子