スマホ見てもいいですか? 当時のやりとりがLINEに残ってますね……。
「めちゃめちゃ続きが読みたい」とか誉め言葉だけじゃなく、ダメなときもちゃんと言うてくれるんですよ。例えば「裏切りを期待しちゃいましたけど、そのまんまのほうがいいんかもしんないですね」とか、このままやと違うかもっていうことを優しく伝えてくれる感じがよかったんですよね。
そうやって田渕に意見をもらいながら、インスタに(書いたものを)たまに上げてたんです。
――田渕さんが編集者だったわけですね。それはいつ頃のことですか?
BKB 今はnoteに全部移したので公開してないんですけど、アーカイブに残ってるんで(と言いながらスマホをチェック)。……いちばん古いので2017年ですね。
青春の光・森田がnote小説に「ケチつけにきた」
――いいコメントばかりですね。「この短編面白す」「面白かったです」「才能ありますね」「ネタはそこそこ興味ある程度だけど、ブックは絶対買う」とか……。あ、さらば青春の光・森田哲夫さんも書き込んでいますね。
BKB あいつはケチつけに来てるだけです(笑)。……あぁ、こんな感じやったんや。自分でも忘れてました。コメント数で、どのショートショートが評判よかったかわかりますね。で、コロナ禍になって緊急事態宣言で劇場も閉まってたんで、せっかくやからちゃんと書こうと思って、毎朝8時19分に1作ずつnoteに上げるようになったんです。
実は「あつまれ どうぶつの森」も並行してやってたんで、1日に森5時間、小説3~6時間っていう感じで過ごしてました。
――そのときも田渕さんから意見をもらっていたんですか?
BKB いや、トレンディエンジェルのたかしに読んでもらってました。たかしは本をあんまり読まないんです。だから、あいつが読めたらみんなも読めるっていう指標にしてました。で、毎日1本、小説を投稿していたらTwitterでバズって、本も出してもらえてって、とんとん拍子にいった感じでした。
2022.12.30(金)
文=高本亜紀
撮影=平松市聖