僕にもそういった経験があるから、今現在、リーダーとして、当時の反省を生かしながら、社員に認めてもらいながらやれています。

HPが残り1になっても立っていられる

 僕は、痛みに強いんです。

 といっても、メンタリティが強いなんてことはまったくないんです。
身近なひとは知っているんだけど、どちらかというと僕は、ひとより繊細だと思うし、へこむときのへこみ方はハンパじゃない。瀕ひん死し の状態になることは珍しくありません。

 だけど、HP(体力)がしぶといんです。攻撃を受ければ、HPは残り2とか1とかまでいっちゃうんだけど、なかなかゼロにはならない。100と1は同じですが、1と0はまったく違うと考えています。

 本当に大きいのは1と0の差です。そこが自分の一番の強みじゃないかという気がしてるんです。

 つらいことから目を背けたり、投げ出したりは絶対にしない。あと1週間経ったら状況も変わるかなとか、1か月眠っているうちになんとかなるかな、ってふうに思っているんです。

 それこそ取り返しのつかないミスや失敗をして日本中からバッシングされるようになったとしても、いちど中国に行ってしばらくしてから戻ってくるかなとか、家でしばらく寝ていれば風向きも変わるだろうって考え方をするんじゃないかな。

 何かあったとき、ダメージを受けないわけではなくて、しっかり喰らうんだけど、絶対に立ち直れる。ここまで生きてきて、そのことは証明できていると思っています。
 

大切なのは「給料」「モテるかどうか」「勤務地」…最初の会社に“三菱商事”を選んだイケメン実業家・黄皓(36)の「先延ばしキャリア論」 へ続く

2022.11.01(火)
文=黄皓