この記事の連載
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脚本には「麻生さんと池松くん頑張ってください」みたいなことが……
――シーズン2はシーズン1以上に遊び倒しているというか、自由度が広がったのではないでしょうか。例えば麻生久美子さんとの「え?」のやり取り等、いかがでしたか?
よくやろうと思ったなと(笑)。「え?」のシーンなんて、思い付いたとしても、普通書かないですよね(笑)。脚本には「このシリーズで最大の山場となるシーンです。麻生さんと池松くん頑張ってください」みたいなことが書いてあって(笑)、あんなシーン、後にも先にもない経験だったと思います。ひやひやしながらなんとか撮り終えました。
その他だと、「パワー・トゥ・ザ・ピープル」を歌うシーンがありますが、その2つが今回の大きな山場でした。
――池松さんが演じる青葉一平はオリバー(オダギリジョー)や漆原(麻生久美子)の“受け”でありながら、自分自身も笑いを起こしていく。バランス感覚を求められるポジションですね。
今回は一平自身も物語のいい加減さに染まってしまっていますよね。主観的なキャラクターから、客観的にしてなおかつストーリーテリングも持続してやっていければと思っていました。
いい加減な強烈な人たちの中にいるだけで楽しくなってしまうから、振り回されすぎず反発しすぎずいられたら、という気持ちだったと思います。
――オダギリさんは麻生さんには細かく演出を付けていましたが、池松さんにはお任せの瞬間も多かったかと思います。ご自身でどのように調整されているのでしょうか。
脚本という大きなガイドはあるので、そこから解釈して、やりながらチューニングしているんだと思います。あとは役柄というよりもストーリーの流れに応じて、物語にドライブをかけられるところは試してみたり、時に俯瞰しつつやっているんだと思います。
――池松さんに撮影現場でお話を伺った際、目の前に色々な俳優さんがいる面白さを語っていらっしゃいました。視聴者としても大きな見どころかと思います。
ラストのくだりのところですね。あれだけのキャストが一堂に会してガチャガチャ楽しくやっているのは、なかなかない経験でした。可笑しな人たちが、可笑しな世界でガチャガチャやっている。そんなみんなのガチャガチャを楽しんでもらえることを願っています。
野球で言うところのオールスターゲームのようなもので、各々に好き勝手に楽しんでいる姿を見てもらえる作品ですし、ほんとに次から次に豪華なキャストの方々が変なキャラクターとして出てきますので、お祭り感覚で楽しめると思います。
2022.09.30(金)
文=SYO
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=FUJIU JIMI