暑い夏が過ぎ、気持ちもゆったり。旅をしたい気分が高まってきました。

 紅葉や秋祭り、収穫のよろこびなど、日本にはたくさんの美しい秋の絶景・風物詩があります。

 そんな「秋の絶景」を集めた「いつか行きたい! 『日本にしかない風景』再発見」2021年秋篇に、新たな景色を追加して、2022年版をお届けします。

 四季があり、自然の移ろいを感じられる日本。各エリアの観光の達人が選ぶ、その地に息づく秋の景色をお楽しみください。

 今回は、CREA編集部が選ぶ、秋の風景をご紹介します。

» 日本の隠れ絶景・風物詩リスト


◆箱根美術館の紅葉

 箱根強羅にある箱根美術館は、昭和27年に開館した歴史ある美術館。縄文時代から江戸時代に至るまでの焼き物の展示や様々な企画展が開催されたりする、充実した展示が人気の美術館だ。

 敷地内には国指定の名勝である庭園「神仙郷」や、柔軟な緑の「苔庭」などを有し、例年11月頃には周囲の木々が赤、オレンジ、黄色など鮮やかな色に染まると、庭園がさらに美しく彩られる。

 また、苔庭の奥にある茶室「真和亭」は、抹茶などを味わいながら紅葉を満喫できる、絶好の観賞スポットだ。

見ごろの時期:11月上旬~中旬

箱根美術館の紅葉(はこねびじゅつかんのこうよう)

所在地 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300
https://www.moaart.or.jp/hakone/

◆小田原のざる菊園

 小田原市久野にある鈴木三郎さん宅の、庭一面に咲くざる菊の花。丹精を込めて育てられたざる菊は約2,000株もあり、毎年10月末から11月いっぱいまで、見ごろに合わせて一般公開される。

 ざる菊は、大きな丸い形がざるを伏せたように見えることからその名がつき、1株に4,000個ほどの小菊を付ける。鈴木さん宅の庭では、見ごろを迎えたざる菊が赤、黄、白、ピンクなどさまざまな彩りを見せ、一面を華やかに染め上げる。

 敷地いっぱいに咲き並ぶざる菊や、冠雪した富士山をイメージした裏庭の花壇は圧巻の光景で、毎年たくさんの来園者を楽しませている。

小田原のざる菊園(おだわらのざるぎくえん)

所在地 神奈川県小田原市久野3562
https://www.city.odawara.kanagawa.jp/kanko/Flower/zarugikuen.html

2022.10.06(木)
文=佐藤由樹